#149_「Why?」型発問の変化球①

考えやすい問い方変換についての投稿がちょっとだけバズった。
具体的場面で「Why?」型発問の変化球について考えてみたい。


「Why?」以外の「4W」「1H」で問う

(1)一番考えやすいのは「Which?」型

幼い子どもに尋ねるとき、一番答えやすいのは「どっち?」である。
〇✕クイズが盛り上がるのは、どちらか一方を選べばよいという手軽さと、どちらかが必ず正解であるという答えを導き出す敷居の低さにある。

「好きなものは何ですか?」と問うより、「ビールとカクテル、どちらが好きですか?」と問う方が答えやすい。

さらに面白いのは、選択肢を示すことで選択肢以外の答えが見えてくることだ。

「ビールとカクテル、どちらが好きですか?」と問われると、
「わたしは日本酒派だなぁ」
「ハイボールも好きだなぁ」
「みんな、お酒のことばっかり言ってるけど、アルコールだめだからコーヒーが好きなんだよなぁ」

などと、第三、第四の答えも見えてくる。
これは、選択肢を入れて問うことで、その人自身をみつめるきっかけができているからである。

(2)「Who?」を問うことで具体的なイメージが湧く

問いを考えるために必要なのは、スモールステップである。
目に見える事象から見えないものを見えるようにすることが大切だ。

そのような観点で考えると、「誰?」も答えやすい発問である。
わたしには年長となる娘がいるが、幼稚園であったことを訊いても明確な答えがなかなか返ってこない。
「忘れちゃった」「わかんない」と返ってくることがほとんどだった。

そこで、問い方を変えて
「誰と遊んだの?」と問うようにした。
誰?と聞くと、不思議なことに友達の名前がするすると出てくるのだ。
さらに驚くべきことに、このあと「何をして遊んだの?」と訊くと、「砂遊び」「ブランコ」等と具体的な遊びが出てくるのである。

これは恐らく、目に見えるものを問うことでイメージが浮かぶからであろう。

「友達」を想像することで「一緒に遊んだ遊び」が見えてくる。
遊び自体は忘れてしまっても、友達と一緒に遊んだ感覚や、笑い合い楽しかったという感情が、記憶を呼び起こすのだと思われる。

教材を読んだ際も、具体的なイメージを掘り起こすきっかけとして「誰?」を問うことは非常に有効だ。
さらに、教材に出てくる登場人物の誰かを選ぶことは、既に選択肢を示されていることにもなるため、答えやすさという要素も含まれている。

例えば
「一番親切なのは誰?」「本当の友達は誰?」など、登場人物を選ぶ問い。
「誰がこの行為を見ていたのだろう」「誰が〇〇に対して優しさを感じたのだろう」など、一人の人物の行為を第三者の目線から考える問い。
「誰?」の問い方だけでも様々なパターンがある。

今回は「Why?」発問の変化球を二つ紹介した。
次回は別の変化球についても触れてみたい。

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