#124_仕掛け学

「授業力&学級経営力」6月号が届いた。
「つい、したくなる」仕掛け学についての論考が非常に興味深いので、以下に記す。

正論は通じない

ゴミがたくさん捨てられているところに「ポイ捨て禁止」の看板を置いたところ、ゴミが増えたという事例があるそうだ。

ポイ捨てをしてはいけないことは誰でもわかる。
にもかかわらず、ポイ捨てが現実に起こっている(=ルールが守られていない)事実が目の前にあると、人はそれを破りたくなるような心理が働くということだろう。

正論で訴えても世の中は変わらない。
ならば、相手が興味をもちそうなアプローチを考えることが仕掛け学の根っこの理論なのだ。

仕掛けの要件

仕掛けを区別する基準として、仕掛け学では3つの要件を提唱している。
①公平性
②誘引性
③目的の二重性
である。

①公平性は、仕掛けによって不公平が起きないようにすること。
②誘引性は、ついしたくなる性質を備えていること。
③目的の二重性は、仕掛ける側と仕掛けられる側で目的が異なるということ。

仕掛けられる側の目的は対象者の目に留まるもの(表の目的)、仕掛ける側は本来の目的(裏の目的)となる。

イタズラと仕掛けは紙一重、という言葉も印象的だった。
確かに、イタズラ好きな人は授業も上手い。
仕掛けるのがとても上手なのだろう。

この発想をもとに道徳授業を考えると、「どこが一番好き?」からスタートするという授業構想が浮かんだ。

好き嫌いから見えるのは、その子どもの価値観である。
教材に描かれる道徳的なよさを直感的に感じてる子と、個人の嗜好で面白いと感じてる子の考えを交流する発問。

道徳は国語ではないので、一時間で一度考えを収束させるための仕掛けも必要だ。

最初にテーマを示すのも、その一つ。
テーマに沿って考えを深めていく。
教材を読みながら、それが見つけられるような指示を出して深める。

今のクラスだったら、子どもたちに、授業を委ねてみたい。
色々チャレンジできそう。
わくわくする。
そんな可能性を感じた、金曜の夜。

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