#104_トラウマの再演を教育と重ねて考える

とあるお話の中で
「トラウマの再演」という言葉に出会った。

再演は、トラウマとなる出来事を繰り返してしまうことをいう。
自ら進んで危険な場所や好ましくない関係性に向かっていっているように見えるが、それこそが「トラウマ反応」である。
再演は、機能不全家庭に育った場合の親との関係性を、成人後に他者と繰り返すパターンや、性被害に遭った人が、何度も性被害に遭ってしまったり、自らの性を軽んじるような行動を繰り返すケースなどが代表例だ。

https://psychologist-neco.com/trauma-reaction/

再演のほとんどは無意識だそうだ。
これを教育に当てはめて考えてみると
いじわるをしてしまう子どもは、かつていじわるをされて深い傷を負っている子。
いじわるをして笑っている子は、かつていじわるをされて笑われた子。
弱さにふたをして、ありのままの自分を見つめられない子。

彼らが心を回復させるためには、どのような関わり方が必要なのだろうか。

心理学的には、以下のようなステップがあるという。

1.被害を認識する
トラウマをトラウマとして認識し、自分が安全でいる権利があることを理解する

2.無意識の行動を意識化する
再演のメカニズムを理解し、無意識の行動がトラウマ反応であることを受け容れる。
自己認識、自己受容ができて初めて他者が受容できる。

3.サポートを受けながら自己肯定感を高める
カウンセリングやセラピーなどを通して自己肯定感を高める。
自分を責めたり批判したりする感情を徐々に抑え、自分が大切な存在であることを認識して自分を肯定する。
「やった」「できた」「きっともっとできる」のステップを踏みながら、自分を尊重する経験を積み重ねていく。

恐らく、幼少期の経験がこのような性格の歪みを起こしている。
我が身にも置き換えて、我が子を見ていきたい。
学級・学年でも該当する子が何人もいる。
褒められたことを受け容れられない子は、概して自己肯定感が低い。

少しずつ、「できる」経験を増やして
少しずつ、「できた」達成感を味わえるようにして
少しずつ少しずつ、自分を好きになれるような関わり方をしたい。
一人一人
丁寧に、丁寧に。

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