#153_道徳科における生活と価値の往還とは何か

教科教育と同様、道徳教育でも、生活と価値(学習内容)の往還により、思考が深まる。
これは具体と抽象の往還であると言い換えてもよい。

ここで述べる「価値」とは、誰もが納得する、確かにこれは普遍的原理であるという、人間として生きる上で、また人と共に生活を営む上で欠かせないものである。

一方で、「生活」はわたしたちの日常である。
そしてその生活の中ではよく、価値と価値がぶつかる場面に遭遇する。

例えば
・規則正しい生活は大切だが、宿題が終わらず夜更かしをしてしまう
・相手のことを考えてした行動が、かえって相手に迷惑をかける結果になってしまう
・みんなに平等に接したいがどうしても好きになれない子がいる

このような場面では、それぞれの価値の尊さを主張するほど、判断や行動に矛盾が生じたり迷いが生まれたりする。
杓子定規で判断した結果、相手を悲しませることもある。

これらの矛盾を理解した上で価値についての自分の捉えを吟味することが、道徳の授業では大切である。

子どもたちの言葉に落とすと
「例えばね・・・」
「これってつまり・・・」
「もし〇〇だったら・・・」
等という接続後になろう。

このような些細な言葉を通して、子どもたちがどのような見方・考え方を働かせているかを見極め、問い返しができるようになりたいものである。

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