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1882 Manet フォリーベルジェールの酒場

講談社の25人の画家ではマネもよく見てました。マネはフォーカス、焦点を判っていた人だと思うのです。
大きな絵でもとあるポイントに絞りが効いていたり、近くで見てもグチョグチョ絵の具塗ってあるけどなんだコレなのに、離れるとあー、そういうことという絵があったりします。
画集では最後の大作としてフォリーベルジェールの酒場が大きく取り上げられていて、現物も大きいんだなあいつか見てみたいと思ってました。

1882制作 マネ フォリーベルジェールの酒場(部分)

機会は意外なことに北米に住んでいた時に何度か仕事で行ったトロントでやってきました。このとき1998年かな、トロントのAGO Art Gallery of Ontarioでコートールド コレクション展をやっていて、おもいがけず複数回行くことができたのです。現物は大きくて、憂いた表情もよくて長いこと見ました。

パリのフォリーベルジェール

フォリーベルジェールは今もパリにあります。
どんなところなのか、入っていいのか判らずなかに踏み込めないのですが、外から眺めるだけでも、ここが現場かあ とちょっと感慨に浸る。

こちらは2022年にパリで見掛けたお酒の広告
これはフォリーベルジェールの酒場のパロディですね
いいセンス!

この作品は1882年のサロン ド パリに出展されて、よく1883年にはマネが死去したので、文字通り最後の大作ですね。
1882年だと、まだ印象派は評価されず、けれどもこの作品はサロンに出展したというから、色々話題にこと欠かなかったマネも晩年は評価を得ていたのだと思います。あらためてマネの作品を見ると、室内や観念?が題材のものが多くて、印象派とはやはり違いますね。けど、印象派やエコールドパリの画家に影響を与えたということでは外せないイノベーターだと思います。

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