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刑法各論定義集(パート2)

みなさんこんにちは。

本日は、刑法各論定義集2をアップします。

1 傷害罪(204条)


 204条:人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 保護法益:人の身体の安全
 構成要件:➀「人」の➁「身体」を➂「傷害」した
 意味
 ➀「人」→自然人
 ➁「身体」→人の身体
 ➂「傷害した」→人の生理機能に障害を加えること
  *精神疾患の惹起も含む
  *傷害結果を生じさせる行為であれば、手段方法を問わない。
Ex)いやがらせ電話により被害者をノイローゼにさせる、梅毒を他人に感染させるなど
*髪を切る行為は生理的機能を害するものではないので該当しない(暴行罪にとどまる)
*故意は、暴行罪の故意で足りる。(暴行の結果的加重犯も含む)ただし、無形的方法である場合には、傷害結果の認識も必要となる。
 

2 傷害致死罪(205条)


 205条:身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。
 保護法益:人の生命・身体
 構成要件:➀「身体」を➁「傷害し」➂「よって」➃「死亡させた」
 意味
 ➀、➁→傷害罪が成立する場合。
 ➂「よって」→傷害行為と死亡との間に因果関係があること
 ➃「死亡させた」→死亡させたこと。
 

3 暴行罪(208条)


 208条:暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
 保護法益:人の身体の安全
 構成要件:➀「暴行」を加えたこと、➁「人を傷害するに至らなかった」こと
 意味
 ➀「暴行」→人の身体に向けられた不法な有形力の行使
 *有形力→物理力の行使。力学的作用のほか、化学的・生理的作用・エネルギー作用も含まれる。
 *相手方に接触することは不要だが、その場合は、相手方を傷害しうる場合に限り、暴行に当たる。(ex.刀を振り回したり、石を投げたりしたが、相手に当たらなかった場合)
接触した場合、傷害の危険性が低かったとしても、暴行に当たる。(ex.食塩を振りかける行為、タンやつばを吐きかける行為)
 ➁「傷害するに至らなかった」→傷害結果までは生じていないこと


それではまた。

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