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『 制作 』 .3




『 試行錯誤 』 .2


『 試行錯誤 』 .1    で試みた 粒子の細かい 岩絵具 白(びゃく)の手法は、色合いは岩絵具のままの美しい色で、表現方法も大分自由になり結果も悪くなく順調に進んでいたのですが、一度 自由を求め出してしまった欲求は止まらなくなってしまうものらしく、さらにもっとモチーフに 入り込みたい、のめり込みたい 気持ちを抑え難く、さらに自由に表現できる様な方法はないかと求める様になります。
そこで思いついたのは、アクリル絵の具+ライトモデリングペーストでした。これはそれまでテクスチャーとして下地に使っていたもので、充分にたっぷりとしたボリュームがあり、かつ アクリル絵の具 独特の人工的な色合いを緩和してくれるもので、描画用の絵の具として使えるのではーと思い立ったものです。
使ってみると これはその時の、のめり込んで描きたい気持ちを充分に満足させてくれるもので、感情的には申し分なかったのですが、乾くと岩絵具 白(びゃく)のとき以上に暗くなってしまうのです。正確な事は分かりませんが、自分の体感では15
%~20%も暗くなってしまう気がします。ですから油絵の具の様にどんどんと筆を加え、画面上で混ぜる事はできずに、塗った分だけ乾かして色の濃淡、色調を確認しなければなりません。慣れない絵の具に、これまで以上に自分の出したい色を出すのに苦労をしなければならない事になってしまいました。しかしながら感覚的には充分満足できるもので、これ以降これまでと同様にこの画材に順応する苦労をしながらも、今度はこの画材を中心に仕事をして行く事になります。
乾いた時の色の変化に対して濃淡、色調の微調整がどうしても必要になってくるので、それを岩絵具で調整する事にしました。これは良い結果になったと思います。アクリルと岩絵具の欠点を補い合い、長所を生かし合う事が出来る事になった様な気がします。時には一度全体に岩絵具を塗ってから削り出すという事も試みたりしています。このあたりのアクリルと岩絵具を併用する事で自分の表現法がより自由で豊かになった様に思うのです。

その頃の作品を紹介したいと思います。


『 作品 』



































しかしながら、まだまだアクリル絵具を使いこなせず、この絵具 独特の人工っぽい色調から抜け出し切れていない感じが残っている様に思います 。
この後このアクリル絵の具に順応する事と、さらに岩絵具、岩絵具 白(びゃく)、サンドペーパーによる削り との組み合わせの使い方に対する試行錯誤が始まりました。ここに至ってようやく自分の画材、技法の全てが出揃ったように思います。もちろん中々複雑なもので、またケース by ケースなものですから技法の完成などあるはずもありませんが、度重なる失敗をしながらも 心の中で求めている自分の絵と言うものに対して もっともっと近付いていける楽しさ、喜びを伴う 苦しくも楽しいやり甲斐のある試行錯誤だと思っています。

これ以降の作品は、また以前の様に文章の中で挿入する形で紹介したいと思います。もしご覧になって頂ければ嬉しいです。





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