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ネガティブ・ケイパビリティから学ぶ

こんにちは。やむちゃんです。

皆さんはネガティブ・ケイパビリティという言葉を知っていますか?
Skillmeを受講していたころに講師のサキさんが教えてくれた言葉なんですが、「今すぐ解決できない問題をそのまま解決しないでいられる能力」のことです。

最近、ふと思い出したので、当時サキさんが教えてくれた本があったなぁと思い、読んでみました。

ネガティブ・ケイパビリティとは?

ネガティブ・ケイパビリティとは「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」のことを言います。

「問題を早急に解決する能力」が求められる医療現場や教育現場など、様々な場で培われるポジティブ・ケイパビリティとは反対の言葉です。

少し書籍の内容から抜粋して説明していきますね。
例えば、医療現場では患者さんの症状に対して、主治医が診察で病気を判明、それから今後の治療計画を立てていきます。
これはポジティブ・ケイパビリティです。

ところが、もしその患者さんが末期癌患者であった場合、主治医のできることは限られたり、皆無である可能性もあります。
この場合、ポジティブ・ケイパビリティだけではどうにもならない。
解決しようがない問題に対して、耐えるための力、【ネガティブ・ケイパビリティ】が必要となってくるのです。

様々な場面で認知

この場面で主治医に必要となってくるのは、患者さんに対して「あなたの苦しい姿をきちんと見ています」という気持ちに寄り添うことです。
この寄り添い、共感する能力がネガティブ・ケイパビリティとなります。

だからこそ、最近は緩和ケアという、患者のケア、そしてさらには患者の家族のケアに重点を当てた分野が出てきています。

また、現代の日本の教育現場においては、問題解決のための教育が行われています。
まさにポジティブ・ケイパビリティの育成が行われているのが日本の教育です。

そして、何事においても解決時間をなるべく短縮して結論を出せるよう訓練されています。
その問題解決の訓練が目的になっているあまり、学校教育で使われる問題は現実の世界から遊離したものになりがちであり、実際に社会で活かせるような学校のテスト問題は見られません。

ですが、世の中って学校教育で学ぶような、問題設定が可能で回答がすぐ出るようなことばかりではありません。
大学の研究室に入れば、まだ解明されていないことに対して仮説を立て、正解がわからないながらも辛抱強く進まなければいけません。
いざ社会に出れば、解決できないけれども進んでいかなければいけない事柄も沢山あります。
また、音楽や芸術においては正解はなく、一つの絵画をみたときの一人ひとりの感動や感想はそれぞれですよね。
これもそれぞれネガティブ・ケイパビリティが働いています。

最近、私が直面したこと

最近、私もこのことを痛感する場面に出くわしました。

私の父は去年心臓病が判明しました。
父がなった病気は手術すれば治るかもしれないし、治らないかもしれない。
それは手術をしてみないとわからない。
と主治医からは言われました。

結局悩んで手術をすると決意した父ですが、術後回復したかどうかは何とも言えない状況です。
経過観察が必要だろうと主治医からは言われています。

私は遠方に暮らしているため、父とは一緒に暮らしていないのですが、間近で見ている母は日々、父の体調を見て、これで良かったのか。もう治らないのか。後数年しか生きられなかったらどうしよう。
こんな悩みを日々抱え、私に度々電話をしてきていました。

私はこの話を聞くたびに、解決策を探していました。
病院の先生にもう一度診せに行ってみたら?とか、セカンドオピニオンもありじゃない?とか。
薬が合わないのかもしれないよね。とか。

そう。
すべてに答えを出そうとしていたんです。
でも、この本を読んで、私と母にもネガティブ・ケイパビリティが備わっていなかったことに気が付きました。

必要なこと何か

私は母に寄り添ってあげられていなかったんです。
正論を押し付けて解決することが必要なのではなく、この何とも言えない宙ぶらりんの状況を受け止め、耐えながら母の話に共感することが必要だったのです。

住んでいる場所が離れていても、家族として、心配していること。
それを伝えることが必要だったんです。

今は、なるべく家族でテレビ電話をするようにしています。
特に用事がなくても、孫たちの笑顔を見せて、たわいのない会話をするようにしています。
今の父にとってそれが何よりも特効薬になればと願って。

ネガティブ・ケイパビリティを知って

私は今回この本を読んで、どんなことにもこの世の中を生きていくにはネガティブ・ケイパビリティが必要だな。と感じています。

私は現在、在宅ワーカーになるために日々勉強をしていますが、これだって悩むことも沢山あります。
でも、今はその悩みに耐えながらも目の前にあることをただ坦々とこなしていくことが大事だと思っています。

育児だって、同じです。
今の子供への対応が数年後、どのような結果になるのかはわかりません。
でも、根本にあるのは共感すること。を大事にしています。
それって今ある現状を耐えながら、まずは共感するというネガティブ・ケイパビリティに繋がってきます。

いままで、悩む時間やなんだかわからないまま進むことってどうなんだろう?と立ち止まってしまいそうなときがありました。
でも、今回この言葉を知ることで、そういう事柄が合ったって良い。
その時に耐える力もまた一つの能力なんだ。と思うようになったら、少し気持ちが楽になり、人生がまた少し楽しくなりました。

みなさんも日常において、ネガティブ・ケイパビリティを意識してみると楽になることがあるかも知れませんよ。

読んでいただきありがとうございました。




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