三生を享くる者

私には、3つのなりたいものがある。ずっと昔から、一度しかない人生に三つの夢を描いてきた。一つ目は、聖帝である。人類史上最も偉大な、地上の主、皇天の子、聖天子になることを夢見ていた。二つ目は、神仙である。最も高潔な、孤高の、解脱者になることを夢見ていた。三つ目は、凡夫である。愛する家族とともに、人を愛し、人に愛される、穏やかな、好好爺になることを夢見ていた。この三相にはそれぞれ、表裏をなす相があって、聖帝には冷酷な独裁者、神仙には世を捨てた狂人、凡夫には卑俗な小心者という裏の顔がついてまわる。聖帝と独裁者を分けるのは徳、神仙と狂人を分けるのは悟り、凡夫と小心者を分けるのは利他の心である。

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