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Ⅴ 法王

ただいま、
タロットの魅力を知ってほしいという気持ちから、
タロットの意味をブログで書いています。

【登場人物の行動】

中央に描かれた法王は、
うやうやしく頭を下げる二人の人物に
ゆったりと右手を掲げ
秘儀を啓示しているかのようである。

【絵の描写】

人工的に加工された石の建物の中で、
三重冠をかぶり、
赤い衣を着て、
左手に三重の十字架の笏を
手にした法王が、右手を挙げています。
法王はバラの服を着た者と
ユリの服を着た者の2人に教えを
説いているように見えます。
もしかしたら、
これから集団に帰属する彼らに
参入の儀式をしているのかもしれません。
足元には、交わる2つの鍵が描かれています。
全体的に厳かな雰囲気が
漂っている感じがします。

【解説】

「法王」と「皇帝」は
父を意味する上で
対になったカードです。
皇帝は、物質的要求を提供し、
法王は霊的な成長を導いてくれます。

どんな人間でも、
文化の中で育ち、成長します。
私たちは他者と暮らすことで、
様々なことを学んでいきます。
このカードは
そういった公共の中での学びであり、
特に集団の中での学びを表しています。

集団化された環境はいずれも、
ものごとの見方、ルール、手順、形式的な慣習などに
関する特定の信念・理念が
重要視されます。
集団に属するメンバーは
そのしきたりに従うことで
一員として認められ、
その集団への
帰属意識を強めていきます。
つまり、
教育という形で
集団は強化されていくのです。
このカードは
その集団の中で、
知識や経験に長けた者
(例えば、教師や専門家など)の元で学び、
集団のルールを学んでいくことを表しています。

しかし、
集団の理念は、
別の集団に行くと
全く通用しないこともあります。
その集団だからこそ
通用するルールでもあるのです。
人はそのことを忘れてはいけません。
何を信じても間違いではなく、
本当のところ、
何が本当にあっているのか、
間違っているのかは、
人間レベルで
理解できるものではないのかもしれません。

それでも、
人は絶対的な正解を
求めてしまう生き物です。
なので、
その道に長けた人、
専門家などに意見を求めるのは
当然な行動です。

例えば、
色のセンスに自信がない人が、
カラーコーディネーターに
仕事を依頼するのは当然な行動と言えます。
そして、
専門家の意見を踏まえて、
自分で考え、
最終的に自分で色を決めていきます。

ところが、
「自分で考えて、自分で決める」
というプロセスを放棄して、
すべてを人の意見に委ねてしまう人がいます。
自分を信じられず(自信がない)、
自分で決められない人です。

自分の外に答えを求めてばかりで、
自分の内側に答えを聞いていないのです。
「自分で考えて、自分で決める」
このプロセスがなくなってしまった組織は、
理念という心のつながりが消え、
形骸化し、
烏合の衆となってしまうことでしょう。

そういう意味で、
このカードは自分の心を
失ってはいけないことも教えてくれるカードです。

【意味】

【正位置】

道徳 規範 慣習 
威厳 権威 父性 頼りになる
慈悲 温厚
指導 教えを乞う
専門家からのアドバイス

【逆位置】

融通にかける 頭が硬い 形式だけの行為
権威を振りかざす 高圧的な態度
世間体を気にする 建前だけの姿勢や行動

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