君たちは夢をどうかなえるか

みなさんどうもこんにちは
ビジネスマインドチャンネルです

今回は、『銀河鉄道999』や『宇宙戦艦ヤマト』の作者として知られる、
松本零士氏著書の
君たちは夢をどうかなえるか
について解説していきます。

本書は夢を叶えるために大切なことの本質が書かれた一冊になっています!
それではさっそく本書の要点を4つお伝えしていきます

要点1
著者は「時間は夢を裏切らない。夢も時間を裏切ってはならない。」と繰り返し語ってきた。諦めずに努力すれば、夢は実現する。

要点2
体験で感じたことや思ったことを深く心に刻めば、それが役に立つ瞬間が必ずやってくる。

要点3
新しいことをやろうとすると、大人から止められることがある。反対されても失敗しても、最後は勝つと信じたほうがいい。そういう思いを持ち続けられるのが若者の特権だ。

要点4
一人の人間の命には限りがあるが、未来の子供たちやそのまたその子供たちへと、人間の命は永遠につながっていく。そしてその命に宿った思いも、永遠に死なない。

チャプター1!夢

「時間は夢を裏切らない。夢も時間を裏切ってはならない。」
著者である松本零士氏は、『銀河鉄道999』の中でも講演でも、繰り返しこの言葉を若者に伝えてきた。その大きさを問わず、夢を持つことは今を生きるためのエネルギーになる。だが、夢を実現するためには努力する時間が必要だ。たとえ時間がかかっても、努力した時間は裏切らない。必ず夢をかなえるための力となる。

夢を持ったら、途中でその夢を諦めてはならない。諦めたら、そこまで努力した自分自身の時間を裏切ることになる。時間は夢を裏切らないと信じて頑張れば、時間はかかっても夢は実現するだろう。

経験は夢をかなえる力になる。たとえ幻でも。

著者は18歳の時、出版社からの依頼で九州の小倉から上京することになった。当時としては国を越えるほどの途方もない距離感に、夜行列車の長旅では緊張感で眠れなかった。車窓から漆黒の闇を眺めていると、手を振って送り出してくれた二人の弟の面影、「苦しくなったら帰っておいで」と送り出してくれた母親の優しい笑顔が浮かんでは消える。

不安ではあったが、自分で決めた道に武者震いがする思いで過ごしていると、車外の闇夜が星の流れへと変わっていった。まるで星雲の中を走る列車。その様子に見とれていたら、星の海をバックに、この世のものとは思えない美女が窓際に座っていた。彼女は無言であったが、「あなたは弱音を吐いちゃだめよ、頑張りなさい」と語りかけているような気がした。気づけば彼女の姿は消えていた。

この女性がのちに描く『銀河鉄道999』のメーテルだ。たとえ幻であっても、自分の経験は未来の力となる。

そして80歳になった著者は、今でも子供の頃からの夢である「火星に行くこと」を諦めていない。
それに、金星の表面の写真に写るマチュピチュ遺跡のような影を、できればこの目で見てみたい。気持ちだけは少年のままだ。

歳をとっても夢を語り続けることは未練がましいと思われるかもしれないが、夢は生きるエネルギーだ。何でもいいので夢を見つけ、それを持ち続けて欲しい。夢を実現するためには、どんな努力が必要か、調べれば少しずつ見えてくる。それが人生の道標となる。

人生をかけてでも実現したいと思う夢が見つかれば、人生はこれまで以上に輝いて見えるはずだ。

チャプター2! 創作

全ての体験は無駄にはならない。
著者が漫画家を目指し、アニメーションを創りたいと思うようになったのは7歳のころだった。終戦後間もない当時、日本に駐在していた進駐軍がトラックでゴミ捨てに来る場所には、家庭用の映写機や、ミュージカル映画、アニメーション映画のフィルムの歯切れが山のようにあった。幼少期からアメリカの映画やアニメーション、コミックが大好きだった著者は、進駐軍がゴミ捨てに来るたびにその「宝の山」をあさり、修理した映写機とつないだフィルムの歯切れで、本場の映画を観まくった。そこで観た“シーン”や“構図”が血肉となり、のちのち漫画やアニメーションを創る財産となった。

みなさんには、今現在だからこそできる体験が山のようにあるはずだ。どんな経験であっても、何気なく過ごしてはいけない。その体験で感じたことや思ったことを深く心に刻み、心に取り込むことが大切だ。心に刻んだ体験が増えるほど、豊かな発想や視点も生まれる。あなたの人生において、そうした体験が有効な力になる瞬間は必ずやってくる。

ものを創る過程において、作り手の気持ちや思いは、必ず作ったものに宿るものだ。著者は作品の中で“命の尊さ”や“少年の成長”を、ストーリーやセリフという手段を借りて、描き続けてきた。

だが、どんなメッセージでも発信していいというわけではない。特に、思想、宗教、信条、民族感情などに関わるデリケートな話題は、十分に勉強し、決して土足で踏み込まないよう注意を払うべきだ。これを怠ると、傷つく人や怒りを覚える人が生まれる。

これに加えて、著者は、国の威厳を傷つけることは描かないということも意識している。著者の作品のストーリーでは、“命の尊さ”“愛”“人の成長”を伝えるために、国同士が争ったり、戦ったりする場面を用いることがある。史実にもとづく場合をのぞき、実在の国を想像させることや、国の名誉を傷つけたり国が滅びたりする展開で国の威厳を傷つけることは絶対にしないと決めている。

国の威厳はそこに暮らす人々の威厳であり、我々全ての人間の威厳だ。あらゆる威厳を守り通してこそ、誰もが“夢”という未来を紡ぐことができるのである。

高校卒業後に出版社の誘いで上京した著者は、下宿で漫画を描き始めたが、自分が体験していないことを描いても読者にはなかなか伝わらなかった。そんな折、股間が痒くなる“インキンタムシ”という病気にかかる。薬局や病院でインキンタムシという単語は恥ずかしくて言えない。不安と恥ずかしさに悩んでいた時、その原因が“白癬菌(はくせんきん)”であることを知り、薬局で「『白癬菌』の薬をくださいッ」と言って手に入れた薬を塗ると、あっという間に完治した。

これこそが私の体験だ! そう思った著者は『男おいどん』でこれを漫画に描いた。悩める同志を助けるために、買った薬のビンまで全部描いて載せたところ、大勢の人から感謝の手紙をもらった。

ただ「面白い漫画を描こう」というだけではダメなのだ。なんのために漫画を描くかという目的意識をもち、読者に共感してもらわなければ、作品は成り立たない。「泣いて過ごしても笑って過ごしても過ぎる時間はおんなじばい」と考える『男おいどん』の主人公は、若者から大きな共感を得た。

チャプター3!人生

自分の人生という大宇宙に飛び立とう
「人によっていろいろあっていいんですよ。何を考えようとね。人間みな自由。自分の生涯は自分が作る。」

著者は若い人たちに講演で必ずこの言葉を伝える。人それぞれ個性があるのだから、枠にはまる必要はない。何を考えて、何をするかは自由だ。それがあなたの人生なのだから。

だが、自由という言葉には責任が伴う。自分で自由に選んだ道では、失敗も成功も全ての責任は自分にある。それはとても覚悟がいることだ。だが、責任を意識して翼を小さくたたむ必要はない。人のせいにせずに、自由な発想の翼を大きく広げ、可能性を追い求めてほしい。

時には障害にぶつかることもあるはずだが、自分の目標を信じて諦めなければ、必ず道は開く。あなたを後押ししてくれる人も現れるかもしれない。

さあ、自分の人生という大宇宙に飛び立とう。

『銀河鉄道999』は、鉄郎という少年が、謎の美女・メーテルとともに銀河超特急999にのって、大宇宙を旅する姿を描いた作品だ。宇宙の重力に飲み込まれた999号に、時間を操ることのできるリューズという女が現れ、自分と暮らすことを条件に鉄郎に機械の体を与えると迫る。鉄郎は、死んでも後悔しないと言ってこの申し出を断る。自分の人生の大切な決断を他人に委ねるのは許せなかったのだ。

皆さんのこれからの人生において、大人や他人からこうすべきだと指図を受けることがあるだろう。それが自分の決断や意思と反するものだった時、どう対応するかが大切だ。その指図は、皆さんのことを親身に思ってのアドバイスの場合もあれば、それが大人にとって都合がいいからというだけの場合もある。

自分の意思に反する選択をし、失敗したら、自分で決断した時以上の後悔をすることになる。自分の人生に責任を持ち、自分の手で未来を勝ち取ることが重要だ。

チャプター4!時

子供たちにずっとエールを送りたい。
人間の時間は無限ではない。もっとも、若い皆さんにとっては、人生の最期の瞬間は遥か先のことになるだろう。だが、今は無限の時間があるような感覚がしても終わりの時は訪れる。だから、その時を満足して迎えられるよう、今を大切に生きて欲しいと切に願う。

そんな時を生きる子供たちにエールを送るために、著者は漫画やアニメーションを創ってきた。様々なものに触れ、吸収できる時期に、自分の作品に出会って何かを感じてもらいたい。その思いが創作のエネルギーになっている。

小さいころの著者にもエールを送ってくれた人がいた。一番は父親である。軍人だった父親は、著者ら子供たちが危険な遊びをすることですら、全面的に許してくれた。だが、命に関わることについてだけは、厳しく叱られた。一見放任主義のようでいて、父親はずっと子供たちに目を配り、口を出さずに見守ってくれていたのだ。

小学校の先生も、エールを送ってくれた人の一人だ。著者が授業中にコソコソ漫画を描いていると、席に近づいてきた先生は怒るどころか「よう描けとる!」と褒めてくれた。授業をちゃんと受ければこれからも描いていいとまでいってくれた。

あなたにも、エールを送ってくれる人はいる。そのことを忘れないで欲しい。

今までと違うことを始めようとする時に、周りの友人や大人に反対されることがある。特に大人は若い人に対して何かとマイナスな意見をのたまうものだ。

止めようとするのは、自分たちの責任逃れのための場合もある。無限大であるはずの若者の可能性を危険だから無謀だからとやめさせようとするのはよくないことだ。若者は失敗して成長するものなのだから。

若者は、大人から「ほら、やめておけといったのに」といわれようと、最後は勝つと信じることが大切だ。そういう思いを持ち続けられるのが、若者の特権である。

著者も上京して漫画を描き始めてから、なかなかヒット作にめぐまれない時期もあった。それでも、最後には勝つんだと信じたからこそ、漫画を描き続けることができた。しくじっても負けても落ち込まず、またやりなおせばいいんだと何度でも立ち向かっていってもらいたい。

チャプター5!生命

永遠の命は親から子へ。
著者は自分の体験や血の中のDNAの記憶に突き動かされるように、創作活動を続けてきた。人はそうして先祖の遺志を後世につなげていくものだという思いがある。

著者が生み出してきた作品のキャラクターは、様々な作品を行き来して、一つの世界観を構築することがある。キャラクター同士がそれぞれの時間軸の中で、時に交差し、時に血で繋がって、それぞれの人生を紡いでいく。そうすることで、永遠に続く命のバトンを描こうとしたのだ。

一人の人間が死なずに生き続けることはできないが、未来の子供たち、またその子供たちに血が受けつがれると、人間の命は永遠につながっていく。そしてその命に宿った思いも、永遠に死なない。

総評

本書は松本零士氏が中高生に語りかけた本であるが、大人が読んでもドキッとさせられる内容が多いものでした。
自分は夢をかなえようとしているか、無限の可能性を持った若者の夢を邪魔してはいないか。今回紹介した以外にも、本書にはたくさんのエピソードが掲載されています。
ファンにはたまらない一冊の全貌は、書籍でおたしかめいただきたいと思いました。

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