「なんとなく」から「間違いなく」へ

キッカケは本当に「何となく」だった。

2022年2月。僕はなんとなく、何でもいいからアニメのイベントに参加してみたくなった。アニメというコンテンツは大好きだったが、アニメ関連のイベントには参戦したことがなかった。そしたらたまたま「ラブライブ!」のライブイベントがあることを知り、一般抽選が始まってたから、なんとなく申し込んだら当たっちゃって、なんとなく現地に参戦することになった。

そこで登場した1人のキャストに僕は心を奪われた。彼女がこの公演でパフォーマンスをしたのは5分にも満たなかった。後から知ったが、身体的な理由でパフォーマンスにかなりの制限があったらしい。しかし僕は、その5分で心をグッと掴まれた。どこに惹かれたかとか、どこが魅力なのかとか、そんな説明的な感情は一切ない。とにかく心が動いたんだ。それだけだ。

彼女の名は「楠木ともり」というらしい。声優として色々なアニメに出演していて、どうやらソロアーティストとしての一面もあるようだ。

すごい人を知ってしまったと思っていたら、たまたま友達も彼女のファンだったことが発覚。それからはとにかく彼女の活動ひとつひとつを逃さないように、日々生き急いでいた。

2022年7月、ソロアーティストとしてのコンサートに、その友達と参戦した。カッコ可愛いくて魅力溢れるステージだった。彼女を好きになれてよかった。本気でそう思った。

2022年9月、ラブライブ虹ヶ咲学園5thライブに参加した。出来ることを全部やって、死に物狂いで優木せつ菜を表現した彼女の姿を忘れることはないだろう。

そして現在、彼女が優木せつ菜・中川菜々を僕達に見せることはもうないと知る。

「想いはこのステージにあるから!」なんて言葉は都合のいい感情論に過ぎない。実際居ないんだから。もう居ないんだよ。認めなきゃ。

彼女を知り、彼女に熱狂し、彼女の苦労に心を痛め、彼女を通じて新たな繋がりや、好きなもの、熱中できるものができた。たった1年間で、錆色の自分の人生を変えてくれた。何もなかった自分に、本気で応援できるものをくれた。新たな人とのつながりを得た。もう十分すぎるほどもらった。

だから、僕は彼女の決断を見守らなければならない。貰うことしかできない僕は、必死に応援することでしか恩返しができない。だから彼女の決断全てを全肯定するんだ。

彼女を好きになるキッカケだった「ラブライブ」の舞台にはもう居ないけど、そこには居ないだけで、ちょっと歩いたら違うところで会えるはず。だから僕はこれからも彼女を探し続ける。

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