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やさしいストーリー25

お年寄り‥
思うところが多い存在である

いつか、誰もがたどり着く時間

暖かく、優しく、気品があり、
潔く、慎みがある

そんなお手本となる人を探してしまうのは当たり前

「こういう歳のとり方をしたい」

全世代が心の隅に持っている欲望である

その欲望の対象となっている事、
ほとんどのお年寄りは気づいていない

誰も見ていないから
誰も相手にしてくれないから
先は短いから

そんな言い訳で「老いる」事を怠けてしまう

容姿は枯れつつあっても
静かに美しく心の炎を燃やす

有名でも無名でも、ひっそりと、
でも着実に前を見つめ歩いている

その存在は‥頼もしい‥

‥‥

誰もが、
「貴方はこんな人なんだよね」
「こんな人生を歩いてきたんだよね」
と言って欲しい

でも時間が許さないから一人一人の美点を掲げる事は出来ない

それを理解し

「僕は‥私は‥」と

頑張っている日常を見て欲しいと
焦らずともいいのである

世の中の人達にはその心の中の炎が確かに見えている

存在はひっそりとしている
発信も多くない

でも、いざ、ここぞと言う時にふと立ちのぼって来る覇気

これまで生きてきた気迫をこめ、
視線を送って欲しい

美しいお年寄り‥
そこに在る安心感と共に
常に彼らには世の中に居てほしい

いえ、
居なければいけない人達なのだ

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