やさしいストーリー27

静かに暮らしていれば生活は音もなく流れる様に過ぎていく

毎回出掛けた場所を報告し、出会った人を取り沙汰しなくとも、生きていく毎日は自分の中に蓄積され浸透していく

日々は、平凡なもの
でも長い年月をかけその蓄積は洗われ磨かれていつの日にか、
かけがえのない想い出になる

そんな落ち着いた日々を送りたい

誰かに急かされ
詮索されようとも動じない心

山奥にひっそりと流れる川は、見られることもなくただ澄んで美しく、内包する生物のいのちを育む

偶然出会ったその映像は、今の自分が求める生き方を鮮やかに教えてくれた

美しいものをただ美しいと思う心

それを伝えたい純粋な想いがただの惰性にまみれる前に
もう一度、心を整理したい

そんな想いにとらわれながら
今、時を過ごす