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1000分を超えて考える──ゲンロン・セミナー「アフターセッション」について

ゲンロン・セミナーのフィナーレを飾るのが「アフターセッション」です。新時代の教養講座としてスタートしたのがゲンロン・セミナーでした。セミナーには、研究の前線で活躍する/されてきた講師をお呼びし、ゲンロンで働く大学院生が講義の聞き手を務めてきました。「学問は長くしゃべるから面白い。」をキャッチフレーズにするゲンロン・セミナーで大事にしてきたのが「対話」です。セミナーの最後に、今度は観客のみなさまとも対話をするのがアフターセッションです。

アフターセッションでは、4, 5人のグループにて共通テーマである「遊び」や各回の気になった点などを話し合います。イベントのはじめには、院生が全講義を振り返り、また各回の内容をまとめた資料も用意いたします。ぜひみなさまからご感想・質問をいただき、広く、ときに深く、もちろん楽しく対話する機会にいたします。ぜひ気軽にお越しください。

タイムテーブル

ゲンロン・セミナー:「アフターセッション──聞き手の院生チームと1000分で「遊び」学を振り返る

日時:7月1日(土)14:00-16:30
場所:ゲンロンカフェ
料金:2,000円、学生1,500円(チケットはこちらから)
※講義回のいずれかにご参加の方はワンドリンクのご注文のみでご参加可能
タイムテーブル
 13:00 開場
 14:00 はじまりのあいさつ
 
14:05 アイスブレイク
 14:15 各回の振り返り
 14:50 グループトーク①
 15:30 グループトーク②
 
16:10 トークの振り返り
 16:30 おわりのあいさつ

院生チームからのコメント

聞き手を務めた院生からアフターセッションに向けた紹介コメントを集めました。前回記事にて、第1回から第3回までのコメントを掲載しましたので、今回の記事では逆順に掲載します。ぜひ話のネタに使ってくださいませ!

第5回「遊びとAI」聞き手:伊勢康平

遊びとAI:「話す、たたかう、作り出す──ゲームとAIの50年史

今回の講義は、人工知能がテーマだったこともあり、ゲームを構成する仕組みにかんする話題が多かったように思います。それ自体はたいへん刺激的だったのですが、「遊び」について考えるという本セミナーの趣旨を考慮すれば、アフターセッションでは、ビデオゲームをプレイすることそのものをもう少し語ってみてもよいかもしれません。なので、ちょっと肩の力を抜いて好きなゲームのはなしなどをしながら、ゲームをプレイするという体験そのものを一緒に分析し、考察してみたいと思います。私は人工知能の専門家ではありませんし、普段あまり熱心にゲームをするわけでもありません。参加者のみなさんにいろいろと教えていただければ嬉しいです。

第4回「遊びと歴史」聞き手:植田将暉

遊びと歴史:「遊びの歴史学──中世ヨーロッパの遊びと儀礼・労働・余暇

とにかく濃密な歴史講義でした。街ぜんたいが熱中したボール遊びから、おしりを丸出しにした教会の石像、そして写本に描かれたカタツムリと戦う騎士の絵……、中世のヨーロッパに充満していたさまざまな「遊び」のかたちとその精神が、約70枚のスライドをつうじて色あざやかに示され、その一枚一枚に池上先生による解説が加わります。一見すると遠い時代に思える中世ヨーロッパに、じつは現代のサッカーやボウリング、サイコロなどの原型が形づくられていたのです。そして、それらのかたちには、社会や宗教のありかた、そして「歴史」が大きな影響を与えてきた──。見ているだけで面白い、聴けばもっと面白い、圧巻と充実の4時間弱です。

第3回「遊びと演劇」聞き手:住本賢一

遊びと演劇:「遊びの場としての野外劇──予期せぬ『ノイズ』を取り込む創造のエネルギー

みなさんが日々どれくらい「なんの役にも立たなさそうな遊び」をされているのかが気になります。じつは今回の「遊び」というテーマを会議で提案したのは自分なのですが、そのわりにはボードゲームとかで盛り上がるのが苦手で、「この時間もったいなくね……?」とか思っちゃいがちなのがコンプレックスだからです。とか言いつつ、休日はダラダラとプロ野球中継を見たりYouTubeめぐりをしたりして時間を無駄に使いがちです。できるだけタメになることに時間を使いたくてうまく遊ぶのが苦手なわりにマジどうでもいいことで時間を潰してしまいがちな人は、どうすれば楽しい人生を送れるのでしょうか……!?

第2回「遊びと動物」聞き手:青山俊之

遊びと動物:「人間とはなにか──遊びから考えるヒトと動物の社会性

動物のメタ/コミュニケーションから現代思想で論じられる「動物性」を異なる角度から考えること、それが講義の裏テーマでした。現代思想における「動物」といえば、コジェーヴが論じた日本人の形式的規律(スノビズム)は動物性を否定するだとか、その議論を展開した東浩紀の『動物化するポストモダン』を思い浮かべるかたも多いのではないでしょうか。講義では、その議論を念頭に置きつつも、動物的でもあり人間的でもあるコミュニケーション(≒遊び)を観察する、という具体例を山本先生に示していただきました。講義の動物論から現代思想まで、ぜひ楽しくお話しましょう!

第1回「遊びと哲学」聞き手:栁田詩織

遊びと哲学:「遊びを哲学する──日常に息づく言語ゲーム

聞き手として初回で印象に残った話題には、大人は真の意味で(つまり日常を切り離して、遊びのみを目的として無邪気に)遊べるのか問題、遊びに「ガチ」になること問題、遊びは自由だけれども一定のルールが必要、ただしルールはどんどん改変されていってもよいという言語ゲーム的実践、などなどがあります。アフターセッションでは、みなさんが感じる日常と非日常の境目、遊びとガチのあわいから、今ハマっている遊びについてまで、ざっくばらんにお聞きしてみたいなと思っています。

アフターセッションに向けて

ゲンロン・セミナーを振り返ると、毎回、多くの観客のみなさんが講義後にもかかわらずアツく語り合っていることが印象に残っています。ゲンロンカフェ10周年を記念して企画されたゲンロン・セミナー、その最後を飾るアフターセッションでもみなさんと多くの学び、知見、考えを共有できることを楽しみにしています!

ゲンロン・セミナー:「アフターセッション──聞き手の院生チームと1000分で「遊び」学を振り返る


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