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苔の貼り方と洗浄について

今回は、以前投稿した苔について補足情報として、実際に苔を貼る際の注意点についてお話しさせていただきます😄
・どんな種類の苔だったら盆栽に向いているのか?
・そもそも苔を盆栽に貼ることについて、良いのか悪いのか?
については前回の記事で解説しておりますので、気になった方はお読みください📝

苔を貼る前に必ずやってほしいこと

今回、解説する苔は、通称ヤマゴケと呼ばれる、ホソバオキナゴケという種類を使用しています。

ホソバオキナゴケ
短いきめ細やかな葉とこんもりとした姿が特徴的で、お寺などでも使われる定番の苔です。
「ヤマゴケ」とも呼ばれており、むしろヤマゴケの方が呼び名としては定着しているかもしれません。

半日陰の乾燥気味の場所を好みます。
もう一つの特徴として、乾燥した際は白くなるだけで形状の変化が少なく、成長もゆっくりのため重宝されています。

注意点として、加湿気味にするとゼニゴケやタチゴケという強い苔が生えてしまうため、水のやり過ぎは禁物です。

※特にゼニゴケは観賞用としてもあまり良くなく、土をジメジメとした土壌に変えることと、横に広がって成長していくため、表土を多い水捌けを悪くします。発生したら取り除きましょう。


ヤマゴケ自体は、安価でネットやホームセンターなどで簡単に手に入ります。
状態が良いものがあるかは分かりませんが、環境さえ整えば道端に生えていることもありますので、お金をかけたくない方は散歩中に探してみてください😀
(ただし、何が付着しているかは分からないので自己責任でお願いします)

さて本題ですが、苔を盆栽に貼る前にはどのような経路で入手した場合でも、
必ず使用前に洗浄をしましょう。

苔を洗浄する目的は、1番に害虫があります。
苔の内部の環境というのは、湿度が一定に保たれ、風の影響も受けにくいため、小さな虫たちからするととても住みやすい環境です。

水か炭酸水につけて1時間〜半日ほど置きましょう

苔が頭まで浸かる程度の量をいれます
トレーなどがあると便利です

いずれも苔の中にいる虫を窒息死させることを狙っています。
今回は炭酸水ではなく水を使用していますが、炭酸水の方が窒息死させるという意味では効果的だと思います。
(これまでは炭酸水で行っていました)

水からあげました。
綺麗な苔ですね、良いものを購入できました。


盆栽に貼っていきましょう

準備するものは霧吹き、ピンセット、ハサミで、
この中でも必須となるのはハサミのみです。

・霧吹きは苔を貼るときに土を濡らすために使います。
事前に盆栽の土が濡れていれば無くても大丈夫です。
・ピンセットはヘラ付きのものだと便利です。苔を植え付けるときと、苔を押さえるときに使用しますが、手でも出来るため、必須ではありません。
・ハサミは苔の根元についた土を落とすのに必要になるため、最低限こちらは必須となります。

苔を裏返すとこのようになっています。
下の黒いものは、培養していた土ですので、盆栽に貼る際には全て取り除いて問題ありません。


ハサミで苔の裏についた土ごと切り取っていきます。
緑の部分と土の茶色の部分の境目に横からハサミを入れてください。
土を切り落とすことで、不要な土を取り除くことに加えて、土の中にある虫の卵などを排除することが出来ます。

横から鋏を入れて切ります。
慣れないうちは少しずつ土を落としていくイメージで。

土を取り除くことが出来ました。
(画像だと分かりづらいかもしれませんが、土がなくなり、苔の根のみになっています)

苔は茶色の根の部分でくっ付いています。
これらを全て取り除いても構いませんが、バラバラと崩れやすくなるため、ギリギリまで切って終わるのが良いと思います。


苔を貼っていきましょう

苔をどう配置するのかに決まったルールはありませんが、一般的に「自然らしさ」を出すことが良いとされています。

自然界ではどのように苔は生えているのかを参考にしながら配置してみましょう。
もし良い参考が見つからなければ、お寺や日本庭園などで検索をしてもとても参考になります。

苔は一面に平坦に生えているのではなく、
地形に合わせて高さに違いがあったり、
苔そのものが円状を形成して塊になっています。
上の画像などを参考に、苔を山なりに、ひとつの塊になるように手で整えます。
土の上に置いていきます。
木の根本から端に向かって放射状に配置していくと作業がやりやすいです。
この際に、苔と土の間に隙間が出来ないように軽く手やヘラで押さえます。

あとはこれを好きなところに配置していきます。
木の根本だけでもいいですし、全面に施しても良いでしょう。

苔についた土を切っていると、ものによってはこのように根のようなものが出てくる場合がありますが、苔はこのような根を持ちませんので、全て切ってしまって問題ありません。

これは生産者さんの生育環境によるものなので、仕方のないことだと思ってください😀
過去には木の肌がついている場合もありました。
鉢の端の苔はこのようにヘラがあると便利です。
苔が鉢の端に入り込むように押さえます。
苔を貼り終えたら、
苔の下に隙間がないか全体を手やヘラで押さえて、
最後に霧吹きをするか水をあげて苔と土の密着を促して終了です。


はい!これにて終了です!
お疲れ様でした😄

苔を貼る前です。
苔を貼った後です。
見応えが増したと思いませんか?


今回の記事はここまでです。
ここまでお読みいただきありがとうございました😊

それではまた次回の記事でお会いしましょう😆

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