いつの間にか消失する締切り

締切効果というものがある。締切直前になると集中力が高まって、作業効率が高まるというやつだ。

これ、一般的には勉強とか作業とかするときに有効なテクニックだと紹介されるけど、人生にも締切効果があると思う。

日本の幼稚園~大学には通常3~6年という締切(卒業)が存在する。この締切があるから、締切に向けて頑張ろうという意識や終わりを大切にする意識が生まれるんだと思う。終わりが見えているイベントは鮮烈なものになる。修学旅行とか夏の大会とか文化祭とか入試とか卒業式とか。青春時代がなにかと美化されるのは、締切があるおかげで、ごく普通の日常を集中して生きるからじゃないだろうか。その日々は密度の濃いものになる。また卒業という締切のおかげで、環境が変わる新鮮味があって、人間関係もマンネリ化しにくい。

社会人になると、この締切がなくなってしまう。正確には締切はあるんだけど、40年あとの話だ。本人が何らかの期限とか目標を自主的に設定できればいいんだろうけれど、それができない場合は遠すぎる締切を眺めながら時間がだらだらと過ぎ、意識がマンネリという沼に沈んでいく。定年までの40年間の計画を立てなさいと言われても途方に暮れてしまう。40年というのは無為に過ごすには長すぎる。

社会人にも3~6年ごとの強制的な卒業があればいいのに、と思う。進路相談室とかも作って。三者面談はいらないけれど。

まぁ現実的には、そんないい大人を手とり足取り面倒みてくれる制度はできないだろうから、個人のできる範囲で、仕事でも趣味でも人間関係でも、なにかしら期限を切ってやってみる、環境を変えて新しい人とつきあうようにしてみる、というのが手の届くライフハックなのかなぁと思う。

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