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中小企業診断士2次試験合格発表前夜

明日は中小企業診断士の令和5年2次試験の合格発表日
正確に言うと、最後に面接試験があるのでまだ終わらないけど、面接はほぼ受かるらしいので実質ここが鬼門
長い時間かけて勉強してきて、希望と絶望がないまぜになっているフワフワした気持ち
こんな瞬間は人生で二度も訪れないと思うので気持ちをここに置いておこうと思った。
 
2021年の11月に資格予備校のTACの門戸を叩いた
コロナ禍では資格受験者が増えたらしいけど、そんなベタな人たちと同じ理由で勉強を始める
元々出不精インドア派でそんなにコロナの影響はなかったけど、さすがに飲みに行けないので時間があった
そして僕は休日を過ごすのがすごく苦手。
暇があると色んな余計なこと考えて闇落ちする
一日中寝ていたってきっといいはずなのに、別にニートじゃなくて納税もしているし
できないんだよな
常に前進していたい
資格なら誰からも非難されないし、自分としても満足いく時間を過ごせる
仕事がずっと中途半端な宙ぶらりんだったから、相手方である中小企業のことをまず知ってみることもいいなと思った。
あと、重要な理由としては、会社でビビらずに済むのではないかという理由
何かと体育会系で声がデカい威圧感のある人が絶対のルールを作ってしまう会社に所属している。
そんな中で言われっぱなしで、上記のゴリラが作ったルールをひたすらに守りながら職場に居続けるのもおもしろくないだろう
この資格を取れば、少なくともうちの業界では知っている人が多く、コスパ悪すぎ資格(1,000時間以上勉強しないといけないキツさの割に知名度が低く独占業務もない)なので取得している人も少ない
その尖った感じが出せるかなと
自分の目標はおもろいおっちゃんになること
おもろい、っていうのは単に笑える冗談を言える、とか見てて楽しい、というのもあるけど、そこには人柄とかバックグラウンドも含まれていると思う
誰が言うか、で面白さは変わる
その「誰が」に、この資格の希少性が、ちょっとだけ色をつけてくれるかなと期待した
自信が極端に少ない僕に、生きる糧を与えてくれるかと思った
 
こんな風に割と利己的な邪な理由で始めた資格だったけど、最初はキツかった
通っていたなんば校の土曜のスクーリングは昼13時~18時半まで休憩挟んで5時間半もある。所謂詰め込み。
そりゃそうだ。1科目1宅建くらいある科目7科目を半年で終わらせるんだから。
1科目300ページくらいあるテキストを先生が超駆け足で解説していき、自習室でトレーニングをひたすら回し、科目終わりの試験に挑む。
この試験のヤバさに徐々に気付いて平日休日を問わず勉強に明け暮れた
平日は1~3時間、休日は朝から晩までTACにいた
 
そんな中運命を変える出会い
しばらくは友達もできず1人で受講していた僕に話しかける男性がいた
Kさんは僕より7つほど年上のすらっとした長身のオシャレボーイだ
聞くと、僕と同じ1.5年コース(1年目に一次4科目、2年目に残り3科目と2次合格を目指す)
Kさんも初めてできた友達だったみたいで話がめちゃ盛り上がった。
お互いに独学みたいにやってた苦しみを分かち合った
後にKさんはなんば校の若頭(勉強会などを取りまとめるリーダーのことを先生がそう呼んでいた)となる
僕はそのリーダーの腰ぎんちゃくとして、TACなんば校の一軍を気取っていた
 
あっという間に1年目の一次試験直前期。
経済、法務、情報、中小企業政策の4科目を受験予定だったが、
合格率が2割を切ることもあった法務が大の苦手で、
先生に「法務なんとか6割(合格ライン)取りたいんですが、こっからどうすればいいですか?」と聞いたら「なかなか今年は難しいんちゃう~。来年でもいいって気持ちで受けるのもありやで」と言われてワイは怒り心頭
がんばろうとしているのに何言ってくれてんねん
そんな勢いで絶対合格したる!と燃えた。
 
一次試験本番はインテックス大阪であった
その時にクラスにいたギャルのAちゃんをKさんが連れてきた
TACではよく見かける人だったけど、ギャル苦手なワイは絶対話さなかったタイプ
一次試験終わりに3人で初の飲み会
Aちゃんは話してみるとかわいらしくてとても良い子であった
 
そうして僕は4科目合格
1.5年コースは数人いたけど、経済が難化したこともあり4科目合格は僕だけ
法務も受かって先生にいい顔できた
 
受験生二年目は企業経営理論、財務会計、運営管理と2次試験直結科目だけ残せたのは有利だったと思う。
1月には一次試験の講義が終わり、直前期までの間に2次試験の本科生に1人混じって講義を受けていた
 
この頃から2次試験の異様な難しさに気付いて、生半可なことしてても受からんと思って勉強量増やした
無理しても、自分が無理だと思わなければいいって
無理って自分が決めているだけだから
やれば案外できた
仕事で疲れている夜でも
 
KさんのおかげでTACの中でも交友関係も増えた。
特に先生が企画してくれた2次の勉強会は楽しかった
2次試験の過去問をひとつピックアップしてそれを各々解いてくる
それを土曜の午前中に1時間かけて4人1グループで解答を発表しあう
それでディスカッションするというもの
答えがない2次試験は、お互いに良いとこ悪いとこを指摘しあったり、知識を共有したり、編集や言い回しを参考にしたりと宝の山だった
全員からパクって成長してやるという気概で臨んだ
 
Kさんのつながりで好きな人までできた
運命のルーレット廻してしもうた
その人に気に入られたくてモチベのギアが1段階あがった
高嶺の花だったから試験が終わったら告白してフラれても目標として頑張ってこれた分いいやと思って、仮想目標にさせてもらってた
途中から様子が変わってお付き合いできた
もし合格したら、「予備校内で好きな人を作ってモチベを上げよう」とアドバイスするつもり(ごみ)
 
2次試験と並行していた勉強も5月から1次にオンリーにシフト
5月のTACの先生を含めた数十名規模の大々的な飲み会を機に禁酒した
去年もしたけど、それより長い
禁酒の効果は絶大で、毎日を平準化できて良かった
波があるのはしんどいからね
会社の飲み会の帰りにもTAC行ってイキってた
 
2回目の1次試験
 
企業経営理論は後半意味不明で、財務会計がむずすぎて
泣きそうになりながら震えて終わった
蓋を開けてみれば1次試験突破したけど、試験終わった瞬間の絶望はすごかった
また来年も受けるんか・・・って
 
去年以上に増えた仲間と一緒に飲んだ禁酒明けのお酒最高だった
 
本格2次試験対策が始まってひたすら過去問解いた
10年分を3周したけど、やればやるほど自分のできなさが見えたり、簡単なセオリーや理論を覚えきれない自分の甘さに悔しかった
 
それでももう絶対勝ちたいって思っていた
自分の人生は負けばっかりで、負けてもいいやなんて思ってた
負けた時のために自分に言い訳したりリスクヘッジしたり
なんしか負けて悔しい、みっともないダサい自分になりたくないと必死だった
でも勝つ人はリスク取ってる
毎日球投げてバット振ってもプロ野球のドラフトにかからない人はいっぱいいる
大谷翔平くんだってそうだったかもしれん。昔甲子園に出たことを何回も地元の居酒屋で自慢するただの岩手のマイルドヤンキーで終わっとったかもしれん
でも自分の可能性を信じて、無駄かもしれない努力を修正しながらがんばったからあんな偉大なメジャーリーガーになれている
リスクヘッジなんてちっともしていないと思う
自分もそうありたい
 
全力投球してきた2次試験だったけど、10月にまた転機
なんと10月の試験の超直前に大阪から縁もゆかりもない福岡に転勤
彼女とも離れ離れ
うちの業界の慣習で、金曜日に福岡行を命ぜられ、日曜には福岡にいた
九州は旅行ですら行ったこともなく、天神?どこ?って感じ
10/2 福岡で引継ぎ
10/7  新居を決める
10/10 大阪で引継ぎ
10/17 福岡着任
10/20 大阪に戻って荷造り
10/21 引っ越し(大阪発)
10/22 引っ越し(福岡着)
10/24 長期休暇を取得し、大阪の叔母の家に滞在
10/28 試験会場近辺ホテルで前泊
10/29 大阪で2次試験
 
僕はこの1か月を「人生の修羅場」と位置づけ、何が何でもこれを理由に落ちたりしないぞと躍起になった
会社では普段そんな取れない昼休みを丸々1時間とってTAC福岡校に通った
新幹線では事例Ⅳのテキストをやったり、自分の生きている時間を全部勉強に注いだ。
そういう気持ちでやったから、後悔はない
 
2次試験本番は、これは毎年かもしれんけど、過去問あんだけやったのに見たことない問題ばっかに思えて頭が真っ白になった
いつもやれていることがやれなかった
でも「いつもやれないことがやれなくなる」と想定していたのでそこまで焦らなかったのは良かったかも知れない
自分のことが30過ぎて少し理解できて来た気がする
 
今は福岡の生活も落ち着いて、試験結果をゆっくり待っている
何もしないのはまた耐えれんくなって、職場のみんなに誘われたフルマラソンに挑戦している
2月に北九州マラソンのエントリーをしている
走るのは楽しい
 
明日どんな結果が待っているか正直自分にも分からない
分からないけど、今だけは自分を信じて合格にベットしてあげたい
絶対に負けたくない
「受かりたいなー」じゃなくて「絶対に受かる」で臨んできたから
中高でテニスやってた時みたいに、
もう負けてヘラヘラしてる自分は嫌だ
 
2年かけて死ぬ気でやってきた
人生かけてやったって言っていいかな


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