国語って大事なんだね

こんにちは、こんばんは。
皆さんは日本語が読めますか?

こんな質問をすると、さすがに馬鹿にしすぎだよ、日本人で日本語が読めない人がいるわけないじゃんって思う人が多いでしょうね。
現にこのブログで使用された言語は日本語です。
もちろん、ここで言う「日本語」というのは日常で使われるような日本語を含め、ある物事を主張するような、論文で使われるような実用日本語というものをすべて含んだものです。

では、質問を変えてみましょう。
あなたは文脈を読むことができますか?
こう訊くとどうでしょうか。
ここでうっと、つまるような人が出るかもしれませんね。
文脈というのは基本的には書き言葉で使われる用語です。
要するに、ある文の意味を規定する、文章の流れのようなもののことです。

ではここで一つ疑問を提示しましょう。
文脈とは書き言葉の連なった文章にのみ現れ出るものだ、と思いますか?
私は、そうじゃないと思うんです。
今日は国語科教師志望の私が思うことについてだらだらと書いていく、ちょっとだけ真面目な回です。

私たちは言葉を使い、日々生活をしています。
朝起きて、挨拶をして、テレビを見て、何かをつぶやきながら準備をして、家を出る。そして人に会い、一日を過ごす中で、文章を読んだり、書いたり、コミュニケーションを取る事でしょう。
おそらく、あなたが一ミリも言葉に触れないで24時間を過ごしきることは金輪際不可能だと言えるでしょうね。

そして言葉というのはその状況によって規定されるものです。
例えばこんな文の意味はどうでしょう?
「渋谷駅!」
ほぼ文とは言えないレベルの短さですけどね、まあ有名な話なので、これで行きましょう。
皆さんはこの文が発話、もしくは書かれる状況としてどんなものが思いつくでしょうか。
カップルが待ち合わせ場所を決めている場面ですか?
何か落とし物をした場所でしょうか?
誰かの思い出の場所ですかね?
こんな風に、この文が生み出される背景がいろいろ規定できるわけですね。

これはめっちゃ平たく言ったウィトゲンシュタインの言語ゲームの一例です。
すなわち、この文を生み出した書き手、ないし話し手の意図を完全に理解するためには、少なからず文脈が必要なのです。
「渋谷駅!」というわずか一単語とエクスクラメーションマークによって構成されたこの文は多義的であると同時に、話者および書き手にとっては一義的なんですね。
その意図を完璧にピックアップするためには、文脈が必要になるわけです。

つまるところ、文脈という言葉はおよそ日常生活の一端である発話によるコミュニケーションによっても使われるということがわかりました。

さて、では今日一番言いたかったことを一つ述べておきましょう。
「文脈読めないやつ、多すぎな」ってことです。
これは国語の成績悪いなと言ってるんじゃないんです。
もう少し、周りの状況から推察しようね、と言いたいんですね。

ある場所にはある特有のルールがあるわけです。
郷に入っては郷に従えではないですが、そのルールに従ってもらわなければ困るんですね。
そして、その基本的な事柄がわかっていない人が非常に多い。
だから、品がない大人だと言われるんですよ。

今日バイトをしていたらですね、名前を書いているのになぜ案内しないんだ、といちゃもんを付けられました。
聞くところによると、右側に名前を書く枠があるのに気付かず、二枚目に書いていたということです。
そこで言いました。
「そう言われましても、この一件に関しては、他のお客様と比較してどちらが先に書いたのかが検証不可能ですので。申し訳ないですが、次にお呼びするのでお待ちいただけますか?」と。
そうしたら「ふざけるな」とよくわからん文句を言いながら帰っていきましたね。

まず、なぜ右側に枠があることに気づかないのか。
なぜ違和感を持った時、店員に訊かなかったのか。

はっきり言いましょう。
こういう大人がいるからいつまでたってもいい社会にならねーんだよと。

文脈を読む力をつけ切らないで公教育を卒業してしまったこと、国語科教師志望としてはものすごく情けないことだと思います。
だから将来、授業で口を酸っぱくして言うことでしょう。
「文脈を読める人になれ」とね。
そうしないとこういう大人になっちゃうぞ、と将来授業で語ろうと思います。

皆さんに再度問いましょう。あなたは文脈を読めますか?と。

上記のニュースによれば、21歳、つまり私と同い年の人たちは6割が全く本を読んでいないということだそうです。
文を読む力というのは確実に衰えます。
そしてその力は直接的に日常生活において言語をコントロールする力に繋がっていきます。
最低限の読書をもとに、あなたの持つ言語感性を磨いていってほしいなと切に思います。
それでは良い読書ライフを。私は今から世界史の本を読みます。


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