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國光宏尚さん「メタバースとWeb3」

 小田玄紀です

 國光宏尚さんが処女作となる著書を出版しました。「メタバースとWeb3」というタイトルです。昨日、國光さんから”献本”を頂きました。

 献本を敢えて”献本”と表現したのは、通常献本というと印刷した書籍を送るものですが、國光さんからはメッセンジャーでデジタルデータが送られてきました。このあたり、さすが國光さんだなという思い、そして、非常に家族想いな國光さんがこの処女作を完成させるために家族と過ごす時間を削ってまでこの書籍の完成度を上げるために頑張ったことを聞いていたので、ちょっとここは本気のレビューをしようと考えました。

 ネット業界そしてCrypto業界では國光さんを知らない人はいないと想いますが、國光宏尚(くにみつ・ひろなお)さんは株式会社Gumiの創業者です。

 Gumiはスマホゲームを多く手掛ける企業です。今では日本のCrypto業界を牽引する立場にある國光さんですが、最初はビットコインそしてCryptoについては懐疑的な見方を持っていました。

 「周りの人がビットコインとかCryptoについて最近話はじめた。なんか怪しいものに巻き込まれるといけないから指摘するために勉強しよう」

 そのような思いでビットコインについて調べはじめた國光さんですが、逆に調べれば調べる程、ビットコインやCryptoの可能性を感じるようになりました。そして気付けば、誰よりも「Crypto is Now! Web3 is Now!」と言う人になりました。

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 今回の國光さんの著書のタイトルは「メタバースとWeb3」ですが、この表紙カバーの上部に様々なキーワードがありますが、暗号資産もVR/ARもNFTもDeFiも全て今後はメタバース、そして、Web3に関連付けられ、また、集約されてくる可能性があります。

 暗号資産(仮想通貨)は2017年に改正資金決済法の施行を受け、一時期は日本が世界の取引の50%を超えるにまでなりましたが、2018年以降に暗号資産交換業者に対する規制強化などもあり、日本の市場は大きく冷え込みました。

 他方で欧米を中心にして、2019年からは機関投資家の参入も本格化し、また2020年からは多くの企業が暗号資産決済の導入や暗号資産のポジションを持ち始めるなどもあり、大きくプレイヤーの質が変わりました。

 特に、従来は「投資・投機対象」という位置付けでしか語られなかった暗号資産が全く異なる価値を持つものとして、それは、「暗号資産でも出来ること」ではなく「暗号資産でしか出来ないこと」が実現してきたことが多く寄与しています。

 その1つがNFTです。

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 NFTはNon Fungible Tokenの略称ですが、ブロックチェーンの最大の価値の1つは「デジタル情報の非改竄性」です。本来、デジタルの最大の価値は「コピーが簡単に行えること。ゼロコストで行えること」でした。しかし、ブロックチェーンによりデジタル情報1つ1つに区別がつけられるようになりました。

 これは非常に大きなパラダイムシフトです。このブロックチェーンの特徴により、従来は実現出来なかった様々なサービスが実現していく可能性があります。

 また、國光さんがいつも言っていることとして、『事業をするにあたり、一番大事なことは"マーケットとタイミング”』ということです。

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 10年前であれば、「モバイル」「ソーシャル」「クラウド」がキーワードであり、この3つの要素を満たすサービスを行っていれば、よほど経営を間違えなければ一定の成功が期待出来ました。

 ただ、今これと同じことをチャレンジしても遅すぎます。今から「Facebookに代わるSNSを創り上げる!」といっても、資金を出す投資家はいないでしょうし、ユーザーもついてこないと思います。

 今、仮に起業をするなら、また、事業を新しく取り組むのであれば「XR」「ブロックチェーン」「AI」このいずれか、または、この全てを満たす領域の事業を展開することで、投資家やパートナーは集まりやすいのは間違いありません。

 そして、特にこの分野においては変化が激しく、1年間で大きく成長が期待できる市場です。

 たとえばAxie Infinityですが、昨年の今頃はまだ月間の売上が5000万円程度しかありませんでした。それが昨年の7月には月間売上が120億円を超え、8月には月商が400億円を超えました。

 NFTの最大のプラットフォームであるOpenseaの時価総額は1.5兆円を超えましたが、このOpenseaも一昨年は社員が4名程度しかいない規模の会社でした。

 VRの世界においてもOculus Quest2は出荷台数が1000万台を超えましたが、これも多くの人がまだ「ゲーム産業」という見方でしかその価値を捉えていませんが、VRの領域は今後ゲーム産業としてだけでなく、「教育産業」「通信(コミュニケーション)産業」「旅行産業」が大きくここで形成されていくことは間違いないですし、もっといえば「政治」や「産業開発」「経営」といったところもメタバース上で行われていく可能性があります。

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 メタバースはただのSNSがバーチャルになるというだけではなく、それ以上の意味合いを持つようになってくる可能性があります。

 現実世界では人の顔や立場などで気を遣ったりすることで大きくコミュニケーションに支障が出ることがあると思いますが、VRの世界ではそうした影響は排除されます。

 また、VRキットが脳波を受信出来るようになったら、コミュニケーションの質は大きく改善されます。たとえば、重要な意志決定や商品の開発はメタバース上で行い、現実世界ではメタバース上で設計されたものを具現化するだけになる社会も10年後には実現しているかもしれません。

 あまりレビューで書きすぎてしまうと、そもそも國光さんの本を買う必要がなくなってしまうので、このあたりで終えますが、ここに書いたような内容だけでなく、今後の暗号資産市場やVR市場の動向など國光さんの分析が盛り込まれたのが「メタバースとWeb3」です。

 特にこれから起業を考えている方や新規事業を考えている企業経営者には必読の著書ではないかと思います。

 ちなみに自分自身も先月、「再入門!1時間でわかるこれからのビットコイン」という著書を出しました。これは2016年に発刊した「1時間でわかるビットコイン入門」を最新の暗号資産市場に合わせてリニューアルしたものになります。「1時間でわかるビットコイン入門」は15万部以上読んで頂きました。國光さんの著書を読んで、もう少しこの業界を知りたくなったらぜひこちらもお読みください!

 Crypto is Now! Kunimitsu is Now! 

2022年3月19日 小田玄紀


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