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ニュージーランド・サイクリング・クラシック 5日目

クラス:2.2クラス ステージレース
開催地:ニュージーランド
日程:1月14日
距離:1時間+4.8km
天候:曇り
平均ワット:258W
最大ワット:1016W
出場チームメイト:ドリュー・モレ、ライアン・カバナ、山本元喜、新城雄大、孫崎大樹、宮崎泰史
 
 
 レースレポート
 
昨年は地獄のような苦しみを味わった最終日のクリテリウム。
今年は昨年より人数が多く、ペースも速くなる可能性があったので、戦々恐々としながらスタートラインに並ぶ
出来れば先頭で並びたかったが、15分前くらいには半分以上の選手が並んでおり、もうどうしようもないな、といった具合だった。
1周のパレード走行を挟んでからレーススタートとなるが、その間に出来る限り集団の前の方に上がろうとはしたが、密度が高い上に誰もかれもが前に行きたがっていて無理だった。
そして、中途半端な位置にいる状態でレースが始まる。
徐々に集団の先頭が縦に伸びていく様子を見ながら、自分も踏む体勢に入っていたが、人数が多いことで集団が伸び切る前にコーナーに差し掛かって減速する。
昨年の倍近い選手が走っているので、団子状態になった集団が伸び切るまでに時間がよりかかるので、後方はインターバルが増しになっている可能性があった。
しかし、なにも後方が良い位置でない理由はインターバルだけでなく、前方で起きた落車の影響を悉く受けるという面にもある。
道幅の変化が激しく、所々に穴が開いていることもあって、急ハンドルで交わした選手がバランスを崩して2人で落車して前方の地面で滑っていた。
止まるほどの減速では無かったが、軽い中切れが発生して埋めるために結構しっかり踏まないといけなかったが、思っていたよりもダメージはマシだった。
先頭ではアタックが続いているようでペースに緩急が生まれ始めていた。
昨年の経験から、集団後方にいる場合にはコーナー手前である程度流していても前が減速することで差が埋まるだけでなく、減速せずにコーナーを曲がれるので立ち上がりが楽になる、というメリットがあると理解していた。
なので、今年は上手く集団の後方でリズムを掴んで、ペースアップ時にあえて千切れる、という作戦もありだと考えていたが、それを集団の後方でアメリカ選抜のチームが3人でやり始めた。
自分がイメージしていた動きと全く同じ行動をしていたので、自分は即座に「楽に走れるテクニックを理解して実践している」と判断できたが、分かっていない選手からすれば、アメリカ選抜が3人揃って千切れているように見えるので、焦って抜きに行っている選手も居た。
集団最後尾は高速のインターバルでビヨンビヨンになっているので、焦って抜きに行ったような余裕のない選手は最後尾で更に消耗した挙句、耐え切れずに千切れてきて、車間をあけて一定ペースで走行しているアメリカの列車、アメリカンエクスプレス=アメックスに抜かれていく。
抜かれざまにアメックスの最後尾に入ってこようとするので、そこを死守するべく張り付いている自分がしっかりとブロックして弾いておいた。

マーベルヒーローみたいなガタイのアメリカ人


他にも、コーナー手前で減速の割合を減らしつつ追いついているのに、横から無理に追い抜いてくる選手もおり、そういう選手はアメックスの1番手の選手のコーナーリングの邪魔にならないように、2番手の選手にブロックされ、コーナーリング中には自分が前に入られないようにブロックするので、結果的にコーナー前で無理に抜いてきて、コーナーで入れてもらえずに失速しながら遅れていく、という無駄足状態だった。
その後もひたすらにアメックスの真後ろを死守し、少しでも楽に走って脚を残せるように意識していた。
時間を確認すると既に40分ほどが経過しており、昨年の地獄の苦しみの中での確認時に25分しか経過していなかった絶望とは雲泥の差。
どこかのタイミングでアメックスから離脱して前に上がっていかないと、終盤に向けて集団のペースが上がってからでは上がれなくなる、とお別れのタイミングを伺っていた。
すると、それまで車間をあけてペースを調整していたアメックスが集団の中に切り込み始めた。最後尾に付きながら一緒に集団内に入っていったが、うまい具合に集団内を縫うように上がっていくので途中で離れてしまった。
しっかりと、最後の集団内を上がっていかないと勝負に絡めないタイミングを分かっていた辺り、本当にいい判断をするチームだと感じた。
はぐれた自分は集団後方に居たドリューと合流し、一緒に前に上がっていき雄大と孫崎の場所に合流した。

ドリューと合流


自分がアメックスで脚を溜め続けていた間にも、リーダーのアーロン・ゲイトがアタックして数名で抜け出していたりしたようで、その動きに雄大と孫崎が反応して動いてくれていたと、後から聞いた。
抜け出せれば着に絡める可能性が高かったのだが、結局リーダーが動くと全員が死力を尽くして追っていたようで、最終局面では集団一つとなっていた。
時間を確認すると1時間が経過していたので、孫崎にラスト3周、と伝えたが、何故かそこから4周も残っていた。

ドリューと一緒に孫崎に合流し、左端に見切れる雄大


一緒に前で動けるように頑張っており、一度は先頭まで上がってアタックを追ったりもした。

先頭に出てしまい、訳も分からず先頭を牽くダチョウ


しかし、その後過密な集団内での位置取りを外してしまい、孫崎とはぐれてしまったことで、再度の合流は難しいと判断し位置を下げて、ドリューにとトラブルがあった際には対応しよう、と考えている最中に目の前で落車が発生。
自分の前で5名ほどが舞い上がり、うち一人はハンドルがコラムの部分で90度曲がっているのが確認できた。
自分はブレーキをして巻き込まれずにしっかりと回避できたものの、遅れてしまったのでゴールまで流した。
孫崎はゴールスプリントで7位だった。
ラスト1周辺りからリーダーのアーロン・ゲイトが先頭で延々と踏み倒したことで、後ろをバラバラに分断させながらのゴールスプリントだったらしい。
 
 
感想
 
昨年のクリテリウムがトラウマレベルで辛かっただけに、まずは完走することを一番の目標にし、少しでも生き残れる術を探してレースを走っていた。
後半には余裕が出てきており、昨年よりデータ的にも非常に楽に走ることが出来ていた。
その分展開に絡むような仕事はできていなかったが、終盤のゴールスプリントに向けて前に上がっていく脚を残せていた、というのが今後のレースを行う上で選択肢を増やすことに繋がるかな、と多少は感じた。
 
 
キツさレベル

アメックスのおかげで本当に脚を残しながら走ることが出来た。

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