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ドル円概況(8/17)

ドル円(5分足、8/17)

為替市場概況:

◎東京市場ではドル円は、日米金利差拡大が注目され、午前9時過ぎに146円56銭を高値に上昇。日本の10年債利回りが上昇したが、株式・債券市場の影響は限定的で、146円40銭を中心に小幅な値動きを続けた。欧州市場でも堅調な値動きを維持し、17時には146円15銭までの落ち着いた水準となった。

◎日経平均株価は前日比140円82銭安で31,626円00銭で取引を終え、下落基調が続いた。NY市場や上海株、香港ハンセン指数の下落により、朝方から売りが優勢となり、取引時間内で幾度か下げ幅を広げる場面もあった。中国経済の不透明感や米経済の金融引き締めの影響懸念から、株式市場の調整局面が続いた。

◎海外市場では、中国が人民元の介入拡大を示唆し、ドル高の一服感が見られた影響で、日本の通貨当局による円買い介入の警戒が高まり、円が一時的に下落した。一方、米国の経済指標が改善し、米経済の堅調さが確認されたことから、米ドルが支持された。金利上昇とFRBの金融引き締め観測が続いた結果、ドル円は一時上昇したものの、リスク回避の動きから反落した。

◎NY株式市場では、NYダウ、ナスダック、S&Pの3指数が3日連続で下落。ウォルマートの業績見通しの上方修正と売上高の市場予想未達が影響し、小売関連株が下落。また、インフレ懸念から金利上昇が続き、FRBの政策金利の影響が株式市場に影響を与えた。NYダウは一時反発したが、金利上昇の影響を受けて再び下げ幅を拡大した。

◎以上のように、17日の東京市場ではドル円や株価が日米金利差や経済指標に影響を受けて値動きがあったが、国内外の経済状況に対する不透明感からリスク回避のムードが続き、市場は軟調な展開となった。

◎米新規失業保険申請件数(初期失業保険申請)は、前週と比べて改善した数字が報告された。これは、失業者数が前週よりも減少したことを示しており、労働市場の状況が一定の改善を示唆している。ただし、この数字は週ごとの変動があるため、単一の数字だけでは全体のトレンドを正確に把握するのは難しい場合もある。

◎フィラデルフィア連銀製造業景気指数は、製造業の活動レベルを示す指数で、プラス(+)の値は活発な景気を示し、マイナス(-)の値は低迷している景気を示す。17日の報告によれば、この景気指数の数字は予想を上回る+12.0と報告されました。これは市場参加者にとって予想外の強さを持つ数字であり、米国の製造業が堅調に回復している可能性を示唆している。

◎特に注目されたのは、フィラデルフィア連銀製造業景気指数の支払価格指数が+20.8となったこと。これは、支払価格が上昇しており、インフレの高止まりが示唆されている。支払価格が高水準で推移することは、経済全体で物価上昇が進行している可能性を示す指標とされている。

◎テクニカルポイント:欧州時間は、中国の人民元介入のニュースから円高トレンドの方向を見極め、17:00頃の146.3円付近の移動平均線タッチがエントリーポイント。21:30の新規失業保険、フィラデルフィア連銀製造業景気指数の発表後は、移動平均線タッチでの戻り売りが有効だった。その後、145.6円を超えられなかった後に、移動平均線をタッチする局面では、上位足の移動平均との距離もあることから、円安方向に振れやすかったため、エントリー非推奨ポイント。3:30頃からは、米株下落に伴うリスクオフで円が買われたが、このトレンドに乗るのは難しかったと考える。

◎今後の相場見通し:米金利上昇による円安圧力と株価下落によるリスクオフの円高圧力に加えて、当局の介入懸念も高まってきており、146円台を維持出来なかったことからも、不安定な値動きが予想され、どちらかと言えば、円高トレンドにトレードの妙味があると予想。