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『源氏物語』を読んで「かたづけ」をした話
外出自粛期には本を読む。その目論見は分散勤務のダメージで掻き消されそうです。
休み時間はほぼないです。でも休日はあります。そういう意味では悲惨な状況ではないのですが、この数ヶ月、足枷がどんどん大きくなって動きにくくなっています。
こんなときは、すべてがどうでもいい、という気分にもなりがちです。
まあ、たしかに割とどうでもいい感じに流れてはいるんですが。
帰宅後は一瞬だけ、「帚木」に出てくる正妻=葵上の家、左大臣邸のことを思い浮かべます。なんだか、非常に気品があって乱れたところがカケラもない感じになっているそうなんです。
広くて静謐な感じなのでしょうか。
い・い・な・あ。
そのものを丸ごとは得られなくても、少しだけエッセンスを取り入れることはできるんじゃないかな。できたらいいな。
そう願って、狭い住居の僅かな一角を、静謐の真似事をして整えます。こんなの、アンバランスです。でも、アンバランスなりに、心が落ち着くほうに傾こうとしているのです。
『源氏物語』を読んで、「かたづけ」が少しとはいえ進む、だなんて、『源氏物語』を読む前にも、片付け本を読んだ時にも予想しなかったな。でも、こういう、思いがけない影響って、嬉しい。
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