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『源氏物語』を読む前に、門外漢の私がしたこと。


外出自粛期の、人に会えない淋しさを、登場人物総勢400人とも700人とも言われる『源氏物語』を読んだら忘れるかもしれない。

そうだ、源氏物語、読もう。

と、思いついた勢いで読むには『源氏物語』はハードルが高かった。『和泉式部日記』『枕草子』『とはずがたり』『伊勢物語』なんかは、いきなり読んでも、なんとなくだとしても読めたんです。まあ、キラキラしてるセンスのよさを楽しむとか、恋愛の駆け引きを追いかけるとか、素人なりにそういうふうには楽しく読んだんです。

でも『源氏物語』は歯が立たなかった。要求される基礎知識の量が桁違いだし、当時の恋愛観を切って捨てるような眼差しで読むと何で読んでいるのか分からなくなるんです。古文を読むスキルのレベルも段違いです。

今でも、1000年前のことだけど今でも通じる、って思って読むべきなのか、同じ日本語で書かれてるのに異世界ファンタジーくらい違う、って思って読むべきなのか、自分の態度が定まってないんですよね。

古文を読むスキルも、日本史的な知識も無い。でも情熱が消えないうちに読み進めたい。二者択一なら、日本史的な知識を取ろう、と決めた。社会的背景について理解できているほうが、ものは読みやすい、という勘だった。それは、とりあえず現代語訳で読む、ということでもあった。

電子書籍で読める現代語訳を4つ読み比べて見て、今は林望先生ので読んでます。

ところが、現代語訳ならそこそこ読めるのでは? という期待は第1章=桐壺の時点で吹き飛ばされましまた。なんなら冒頭「いづれのおほんときにか」が、なぜ「とき」でも「御代(みよ)」でもなく「おほんとき」なんだろう、ってところから。

まあ、そこまでいかなくても、政治的なパワーバランスや身分の違いがイメージ出来なかったり、顔も見ずに恋することの謎とか、あるいは「かな文学」の価値とか意味ってなんだろう、とか。

わからないことだらけだった。

日本史の、平安時代のざっくりとした知識が、なんとなくでいいから欲しい!

そんなニーズを満たすために、ごく初期に触れたものは

・Youtube 中学生向け映像授業
・国語便覧
・日本史資料集

でした。

すべて暗記した訳ではないですが、どこに何があるかが分かってるだけでも、だいぶ読みやすいです。

あと、この時点で全体のあらすじはなんとかく入っています。ネタバレと言えなくもないですが、実際に読んだら簡素なあらすじよりだけを読んだときと全然違うし、「これ、あとから出てくるアレだ」と分かるのも楽しい。

というわけで、『源氏物語』の門外漢でも、まったく歯が立たないって訳でもなくて、近づけそうな気がします、というお話でした。

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