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記憶は、一般的に、「過去経験を保持し、後でそれを再現して利用すること」「将来に必要な情報を保持すること」とされています。
 
Aという出来事を見聞きすると、普通、「Aは〇〇である」「Aだから△△」というように意味や解釈を「結び」つけて認識します。

ここで、日本語としての「むすび」の字義から記憶について考察することにします。この「むすび」には、 “ひも状のものをくくる”という意味の他に、「繋げる」「まとめる」「創る」「固まる」「締める」のような意味があります。

このことから、記憶には、ある出来事と何らかの意味・解釈が、糸で結びつけられたものとしてのメタファーが含まれています。


「結び」という言葉のルーツは、日本神話に出てくる「産霊(ムスヒ・ムスビ)」とも言われています。
 
「産霊」は古来から神道においても大事な観念として語り継がれています。「ムス(産)」には“生み出す”、「ヒ(霊)」には“神霊の神秘的な
働き”という意味があり、ムスヒ(産霊)とは、「結びつくことによって神霊の力が生み出される」ことだと解釈されています。

日本最古の歴史書である古事記に、“天地が形成された始まりの時に、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみムスヒのかみ)、神産巣日神(かむムスヒのかみ)という三柱の神が現れた”と記されています。
 
この中の2柱の神名に「ムスヒ」が見えることなどからも、「天地万物を生成する霊妙な力をもつ神霊」とも定義されています。

また、神社でも「しめ縄」という形で幾重にも結ばれた縄で結界を張ったり、願いを込めておみくじを「結ぶ」行為など、日本には「結び」に関する文化が多く存在します。
 
つまり、日本では、古来より、“願いを込めて結ぶことは、人の想いまでをも留まらせることができる”と考えられてきました。
 
以上のことから、記憶とは、ある出来事と意味や解釈の他に、願いや想いも「結び」ついたものと捉えることができます。

さて、私たちが、何かしら不都合な現実を起こしたとして、その背景に、何かしらの「記憶のもつれ」が関与することが考えられます。その場合、まず必要なのが、記憶のもつれを解く「編集脳」です。

身口意ととのう脳活で磨く編集脳は、記憶を脳内の現象として処理するだけでなく、記憶を「体・言葉・意識」の全人格的なものとして捉えた、いわば、日本的な感性によって培われた「結び」の作法です。
 
この編集脳を磨きながら、あなたの存在価値を見つけるガイドとして、第2章以降、次のテーマで構成されています。
 
第2章 記憶のもつれを解く
記憶のもつれは、脳の苦痛系神経回路を起動させます。過去に縛られている、記憶のもつれを解くことで、一度、脳を整理します。

第3章 存在価値を発掘し、天才性を育てる
本当のあなたとして生きるために、自我と存在価値・天才性を結ぶ“種”を発掘します。

第4章 試練を再解釈する
天才性の発揮を制限する「試練」を特定します。そして、天才性を磨くために試練が必要な経験だったと再解釈します。

第5章 体と対話する
症状を通じての体からのメッセージを聴き取り、試練を再解釈する際のヒントを見つけます。いずれの章も、自分と仲直りし、天才性感覚とむすんで生きていくために、次の3つのポイントが含まれています。

①「自分とは何か」と自分の内側と対話する
②「何のために必要な体験をしているのか?」と自分の外側で起きている現象と対話し、そこから背景とその目的を明確にする
③自分の内側と外側で起きているネガティブ・ポジティブを統合する
 
これらのポイントを踏まえ、これからあなたと存在価値を結んでいきましょう。
 

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