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日々読書‐教育実践に深く測りあえるために

氏岡真弓『先生が足りない』岩波書店、2023年。

 先生が足りない。学校には、先生がいないという問題が起きても吸収する「保水力」がなくなっている。この問題を非正教員の問題としてとらえるだけでは足りないのである。
 非正規の先生が足りないのではなく、実は、正規教員を減らし過ぎたのが、ことの本質ではなかったか。正規教員の採用を控えたために非正規教員のニーズがさらに膨らみ、配置が間に合わず、穴が空いているという図式がある。
 さらに、「今年は先生がいないので、音楽の授業ができない」「「社会の授業ができるのは先生が来る6月になってから」教員不足の問題は、教員の労働問題だけでなく、子どもが学ぶ権利の問題としてとらえる必要がある。ことは、「子どもの問題」であり、さらには「公教育の危機という問題」であると本書は指摘するのである。

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