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子どもたちとよりよい社会への変容を提案できる教師を育てる

 本学が中心になる地域活性化人材育成事業SPARCのキックオフシンポジウムにライブ配信で参加した。

 ①時代の変化に目を向け、柔軟に戦略立案・意志決定できる、②イノベーションに挑戦し、地域等を支える、③自ら主体的積極的に価値を想像するチャレンジマインドが持てる、④構造的で広い視野を持ち、多様な人とのつながり、巻き込むことができるといった「未来共創人材」を育成する事業である。教育学部には、地域の教育を支える人材が期待されている。

 先行き不透明な社会の中で、「よりよい社会への変容」を提案できる人が求められている。求められている地域におけるフィールドワークは、単なる体験ではなく、学生同士だけでなく社会人等の多様な立場の人と対話しながら、異質な他者との出会いが期待されている。

 具体的には、地域という場を活用したPBLと、分野の越境が教育方法のキーワードになっているのだが、中山隆さんが行った授業体験を見ていると、一つには、学生が語ることがスタートになるワークショップをどのように組み合わせるか、多様な人々に質問をするなかで、どのように学生の学びほぐしを繰り返させていくかが求められていると思われた。教育学部の学生で考えると、学生が小学生・中学生・高校生として経験してきたなかで形成してきた教育観や授業観を可視化しながら、どのような人と出合わせるか、どのような対話をデザインできるかが、大学教員に問われてくる。と同時に、他の人の意見と異なる考えを出し合える関係性が構築できるか、自分の至らなさや考えの狭さを学生が受け止めることができるかという学生間の関係性の構築も課題になってくる。正解ではなく、間違いや失敗が等身大で出せるとき、そこにその人の個性が立ち現れてくるからである。

 子どもたちと未来を創る教師のたまごと、イノベーションした将来をどう創るか。そうした展望を学生がひらいていく講義全体のデザインと環境をていねいに構想しながら、学生の声をじっくりと聴くことから始めてみたい。

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