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太陽は、赤いまるではない

 息子の参観日だった。

 教室の掲示を見ると、ニコニコ太陽というテーマで、太陽がたくさん貼られていた。

 丸い太陽ではない絵が、二つあった。一つは、息子のだった。息子に、四角というか台形というか、何で丸くしなかったのかを聴くと、「先生が、好きな形で書いてと、言ったから」と、質問の意図がわからないというふうに返されてしまった。先生の指示に忠実に取り組んだのである。

 色も独特だった。もちろん、一色ではない。「先生は赤で塗れとも、一色で塗れとも言っていない」のである。

 息子は、オリジナリティがあるわけでも、感性が豊かなのでもない。言葉に方向づけられ、迷いがないのである。太陽という言葉に含まるニュアンスやイメージには関心は向かない。言葉そのものに左右されるのだ。正確に努力しているとも言える。

 楽しそうだから、いいのかなと思うことにした。


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