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教師は、人間としてどう生きるかを探究している

 宮崎日日新聞に掲載されている「みんなの作文」の選評をした。もう、12年目になる。子どもたちが書いたたくさんの作文に目を通し、作文を選び、コメントする。上手いか下手かではなく、心が動くかどうかを大切にしている。毎週日曜日に2通しか掲載されないので、たくさんの作文が担任の先生と私しか読まれていないのだと思うと、心苦しいときもある。
 作文の中に、小学校1年生の時につくった粘土の人形を担任の先生にあげたというエピソードがあった。6年生の時に、その先生と委員会で再会したとき、先生の教室の棚に、自分がつくった人形があったという。5年後ということだ。
 子どもたちからもらったものをいつまでもそばに置いている。子どもたちから差し出されたものは、その人自身を差し出されたと思っていつまでも大切にしている。人間としてどう生きるかを探究している人が、教師なのだということを教えてもらった作文だった。


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