見出し画像

修学旅行の小遣いが5000円だった。少ないと思いませんか?

 修学旅行のお小遣いが、5000円という上限だった。お土産とか好きなものとか、何も買えない。先生に「少ない」と言ったら、「決まりだから」と言われた。5000円という金額は、修学旅行のお小遣いとして妥当なのか。質問には、何か納得がいかない気持ちも含まれていますね。
 
 憤りを向ける方向が、間違っています。怒りの矛先は、5000円という額が少ないかどうかではなく、「決まりだから」という先生の回答が、あなたを黙らせ対話を失わせている点に向けるべきです。「なぜ、お小遣いの上限が5000円なのか」を聴く機会すら失われている点に注意が必要です。「決まりだから」という言い方には、先生が決めたルールに子どもは文句を言わずに従うものだというルールが潜んでいます。「ルールをつくるルール」を誰がどのように決めているか。私たちは、どのような手続きでルールがつくられ、誰が合意しているのかに注意を払う必要があります。学校は、民主主義を学ぶところです。
 
 「お土産」という言葉にある考え方にもズレがあるのでしょう。お土産には、自分に買う「旅の思い出」という意味だけではなく、一緒には旅行に行かなかった家族などに買う「日頃の感謝」という意味が含まれています。お小遣いの上限に対する考え方の違いが、どうして生じたのか。「なぜ、少ないと言ったのか」を子どもに聞こうともしなかった先生のふるまいこそ、問題です。金額の上限そのものというより、互いの言い分を理解し合い、金額の上限を合意していくプロセスがなかった点に、異議申し立てがあったのではないでしょうか。
 
 子どもの意見は聴きとられる権利があります。何がおかしいのか、どこを変えていきたいのかを聴いてもらえるおとなに出会えるといいですね。これからは、自分が「おかしい」と思ったら、おかしいと思ったのはなぜなのかをていねいに考え、いつ誰がどのようにルールを決めたのかを確かめ、誰に働きかけると変わっていくのかを検討してください。

 小学校6年生からに質問に応えた。2月5日の記事に掲載された文章に加筆修正したものである。荒ぶる気持ちがにじみ出てしまっている。学校に子どもの意見を聴く余裕が失われているのは、なぜかに応えぬままに、回答している。もう一歩踏み込んだ文章が書けるといいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?