350mを生きた

だからなに、と問われたらそれまでの小さな世界で
わたしは何を誇るのだろう
ただ生命維持に努めているだけの歯車
代わりはそこらへんに落ちている
唯一を求めるには遅すぎるようで早すぎる
時の旅人?いいえ、ただの無責任なニート

楽しいことも苦しいことも
人生のどんな場面でだって
どんどん要らない自分が生まれる
心の貧しいままなら幸せになれると聞いたけど
あながちそれも間違っていなくて
感情を知れば知るほど苦しくなってくる

5分前に創られた世界
メガネ置きと化した汚い人形
何日もシンクに放置した皿
何年も前に期限が切れたカイロ
あんまりあったかくないペットボトルのコーヒー
前の家の近くのコンビニのレシート

冬の空気の方がまだ温い
どうしようもなくタバコが吸いたい
全部燃えちゃえばいい
こんなこと知りたくもなかった
君はどんな風に泣くんだろう


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