VALIS二次小説 理想が欲しくて 深脊界市編Main Story -037(Case of FEI)

迷子になったと思われる少女を襲った爆炎使いの女を殴り飛ばした後、場所を変えて襲われた少女に事情を訊いた。

彼女は明透あすと言う名前で最近深脊界市に来たのだが、姉である存流あるとはぐれてしまったらしい。                               携帯の地図見ながら存流あるが指定した合流場所に向かっている最中、あの女に襲われたようだ。

(いやマジか.........)

なんという偶然だろうか。先日知った謎の人物と出会ってしまった。しかもあの存流あるの妹である。                           しかし安心した。存流あるの妹なら敵対することはないだろう。裏取りの為に記憶を覗いたが、公社隊との関わりも無い。杞憂で済んで良かった。

その後、明透あすの心を落ち着かせる為にしばらく話した後、存流あるとの合流場所の近くに空間移動テレポートで送り届けた。



「最近フェイくん来ないね」

午前のレッスンが終わった休憩時間。皆でお昼ごはんを食べていると、ニナが呟いた一言に楽しげだった空気が息の音を止める。

「...........そうねぇ。せっかくごはんも作ったのに、食べに来てくれないから残念だわ」                                  「なんか存流あるちゃんも元気無いし」                          「この前ソートに訊いたけど、『急用が出来たようで、暫く現実世界に戻っています』しか教えてくれなかったし..........」                       「.............ねえ、やっぱり何かあったんじゃないの?流石に1ヶ月以上の戻らないなんて変だよ」                             「とは言っても、わたし達には情報を集める方法無い」           「「「「「「はぁ~...........どうしよう」」」」」」

ソートは何も教えてくれない。どれだけしつこく訊き続けようが、言い方を変えようが、同じ返答を繰り返す。                  結局のところ、フェイの行方についてVALISは何も出来ないのだった。

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