VALIS二次小説 理想が欲しくて 深脊界市編Main Story -039(Case of FEI)

――PM19:56――深脊界市復興公社しんせかいしふっこうこうしゃ本社ビルエレベーター内。

VALIS(と追加で存流ある&明透あす)の深脊界市PRライブ当日。復興公社隊と対立してから3ヶ月経ったこの日、―――ようやく最後の戦いを迎える。

この3ヶ月は本当に多くのことがあった。                 公社隊の戦力を削ぐ為に関連施設を襲撃し、その過程で過去にプルノという偽名を使って交戦していたTypePや、元アメリカ軍のアーロンという大男と激突し、その両名を撃破した。

初めは公社隊の関連施設を襲撃していたが、どうやら他の施設に引き継がれていたらしく無駄だった。

その後も多くの公社隊のメンバーと交戦し、先程最後のメンバーであるTypeAを撃破した。まだダメージが抜けきっていないが、この戦いで全てが終わる。あと少しだ。












「............来ましたか」                               「............ああ。来てやったぜ」

公社隊の最後のメンバーから屋上に行けと言われエレベーターに乗ったフェイは、助言に従い屋上へ向かい、そこに待ち構えていたソートと対峙していた。

「下にいた奴から聞いた。俺が勝つにはお前を倒すしかないって。...........でもその前に一つ訊かせろ。なんで俺を消そうとする」

ソートを倒せば全てが終わる。しかし、その前にフェイはどうしても気になっていたことを訪ねることにした。

「お前がVALISにしてきたことは.............まあ、俺は嫌いだが認めるしかない。お前なりのやり方だからな。でもお前は..........いや、お前達は俺を消す為にこれまで多くの戦力を投下してきたが、別に最初からそうしていた訳じゃないだろ。そもそも積極的に誰かを貶めようとしていない俺を一方的に排斥すれば、他でもないVALISや存流が黙ってないはずだ。これだけはどうしても理解出来ない」                                「...........何かと思えばそんなことですか。無論、初めからあなたを排除する予定ではありませんでした。出来るならあなたを救いたかった。でも無理だった。あなたが持ってしまった“力”はあまりにも強大すぎた。あなたの“力”が彼女達の居場所を壊してしまうと思うと、どうしてもあなたを許せなかった。.............ええ解っていますとも、あなたはそんなことをする人ではない。それでも、一度感じた恐怖は簡単に消えません。あなたにも覚えがあるのでは?」                                   「それはっ.............」

それには確かに覚えがある。むしろ、現実世界にいた頃は頻繁に感じていたものだ。

「あなたの“力”はとても強大なものです。“力”の全てが解き放たれれば、深脊界市どころか....ですら簡単に崩壊してしまいます。そうなってしまう前にも、あなたをここから永久追放しなければいけないのです」              「.............そう、か................結局こうなるのか。結局、いつも通りなのか..........」


行き場の無い感情が、溢れ出した。

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