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【AIニュースを読む】ChatGPTにメモリー機能が追加される予定

OpenAIは、2024年2月13日にChatGPTにメモリー機能が追加されることを発表しました。ChatGPTで対話した内容を覚えることで、一からその内容について対話することがなくなります。メモリー機能の制御はユーザーが行うことができ、何かを思い出すように指示することや、尋ねたり忘れたりすることも可能です。また記憶させないように完全にオフにすることもできます。

今週、ChatGPTの無料ユーザーとPlusユーザーの一部を対象に展開し、より広範に展開するためにメモリー機能追加の計画を近日中に共有します。


メモリー機能の仕組み

ChatGPTと対話する際に、特定のことを記憶するように依頼したりChatGPT自体に詳細を取得させたりすることができます。ChatGPTのメモリは使用すればするほど向上し、時間の経過とともに改善に気づくことになるでしょう。例えば、次のような時に活用できます。

  • ユーザーが会議メモの見出し、箇条書き、アクション項目を下部にまとめるように説明した場合、メモリー機能によって次からの会議メモも同様に要約します。

  • ユーザーが近所のコーヒーショップを経営していると伝えた場合、新しいロケーションを祝うSNSのメッセージングをブレインストーミングしたい時に、どこから始めれば良いかを知っています。

  • ユーザーに幼い子供がいて、彼女がクラゲが好きだと言った場合、ChatGPTで誕生日カードを作る時に、パーティーハットを被ったクラゲの画像が提案されます。

  • 25人の生徒を持つ幼稚園の先生で、50分間の授業とフォローアップ活動を行いたい時に、ChatGPTが授業計画を作成する際にこれを覚えています。

メモリー機能の制御

メモリー機能は、ユーザーがコントロールすることができ、必要に応じていつでもオフにできます。メモリー機能は、ChatGPT左下の「設定」項目をクリックし、「個人用設定」に入り、「メモリー」のトグルボタンを「オン」または「オフ」にすることで制御します。なお「メモリー」がオフになっている間は、メモリーを作成したり使用したりすることはできません。

ChatGPTが記憶した内容で、忘れてもらいたいものがある場合は、それを伝えることで、設定で特定のメモリーを表示したり削除したり、またすべてのメモリーをクリアすることもできます。(「設定」 > 「個人設定」 > 「メモリー管理」)。

ChatGPTのメモリーは対話とともに進化し、特定の会話にはリンクされません。チャットを削除してもそのメモリーは消去されないため、削除したい場合にはメモリ自体を削除する必要があります。

メモリーを使用しない会話は「Temporary Chat」

メモリーを使用せずにChatGPTを使いたい時は、一時チャット(Temporary Chat)を使用します。一時チャットは履歴に表示されず、メモリーにも使用されないためモデルのトレーニングにも使用されません。

Custom instructionsによってChatGPTがより便利に

カスタム指示(Custom instructions)は、ChatGPTに何を知っておいてほしいか、またどのように対応してほしいかを直接指示を与えられます。明示的な情報や指示には、カスタム指示に追加できます。ChatGPTとの対話を通じて共有された情報は、ChatGPTが関連する詳細を記憶することが可能です。

プライバシーと安全基準の進化

ChatGPTのメモリー機能は、どのような種類の情報を記憶し、それをどのように使用するかなど、プライバシーと安全性に関する考慮事項が含まれます。OpenAIではユーザーが明示的に要求しない限り、例えば健康に関する情報などのセンシティブな情報を積極的に記憶しないようにバイアスを評価し軽減するための措置を講じています。

ChatGPT TeamとEnterpriseユーザーはより効率的な作業へ

ChatGPT TeamやEnterpriseを使っているユーザーは、仕事でChatGPTのメモリー機能が役立つことがあるでしょう。ユーザーの好みや過去のやり取りに基づいて、チャットすることができるため時間の節約や、より適切で洞察力に富んだ回答が得られます。例えば、次のような時に活用できます。

  • ChatGPTのメモリー機能によってユーザーのトーン、声、フォーマットの設定を記憶するため、ブログ投稿の下書きに自動的に適用します。

  • コーディングする際に、ChatGPTにプログラミング言語とフレームワークを指示することで、後続のタスクのために記憶し、プロセスを効率化できます。

  • 月次のビジネスレビューでは、ユーザーのデータをChatGPTに安全にアップロードし、それぞれ3つの要点を含んだユーザー好みのチャートを作成します。

ChatGPTの他の機能と同様に、組織のデータを管理することができ、ワークスペース上のメモリーやその他の情報は、モデルのトレーニングから除外されます。またユーザーは、チャットでのメモリーをいつどのように使用するかを制御することが可能です。さらにEnterpriseアカウントの所有者は、いつでも組織のメモリーをオフにできます。

GPTsのメモリー

GPTsは独自の異なるメモリーを持つことになり、BuilderはGPTsのメモリーを有効にするオプションがあります。またメモリーはチャットと同様にBuilderに共有されません。メモリーを有効にしたGPTsと対話するには、メモリをオンにする必要があります。例えば、次のような時に活用できます。

  • 「Books」GPTは、次に読む本を見つけるのに役立ちます。メモリーを有効にすることで、お気に入りのジャンルや人気の本などの好みが記憶されるため、繰り返しの入力なくおすすめ本を提供します。

各GPTsには独自のメモリがあるため、以前にChatGPTと共有した詳細を繰り返す必要がある場合があります。例えば、次のような場合です。

  • 「Artful Greeting Card」GPTを使用して娘の誕生日カードを作成する場合、彼女の年齢やクラゲが好きかどうかはわからないため、関連する詳細を伝える必要があります。

GPTs用のメモリーは、より広範囲に展開する時に利用できるようになります。

最後に

GoogleにGemini Advancedの情報が出た後に、OpenAIがChatGPTの新機能についての情報を発表しました。GoogleはGemini Advanced自体の性能もGPT-4を上回る部分が多く、さらにGoogleの各種サービスとの併用で使いやすさがあります。一方でChatGPTはGPTsやGPT Store、メンション機能そしてメモリー機能が追加されることで、より使いやすくなるでしょう。

今回のChatGPTのメモリー機能によって、プロンプトによる制御だけではなく、どれだけユーザーがGPTと対話を重ねたかが重要になるかもしれません。

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