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【スプラトゥーン3】2023.03までのブキ使用率統計:アップデート履歴ごとに、ナワバリから考察

 はじめまして。ハイドラ使ってる人です。

 スプラトゥーンシリーズのバトル情報を収集・公開しているサイト、stat.ink では、前日までの情報が随時公開されています。使用されるブキや勝敗、ギアパワー等がまとめられているため、バトルの環境分析に大変便利なものとなっています。

 ただし、あくまで全プレイヤーではなくstat.inkを利用する有志(2023.02.08現在、15,422人)によって成り立っている統計情報に過ぎず、公開されている情報についてもやや(あるいはかなり)偏りがあることには注意が必要です。

 stat.ink に登録しているプレイヤー + 試合に参加していた味方&敵合計7人 で、8人分のブキが1試合ごとに登録されています。登録プレイヤーが同じブキを使い続けていたり、フレンドパーティなどの要因により偏りが発生します。

 これを使用した統計・分析の結果はあくまで一例に過ぎないということをご留意ください


 今回はStat.inkが公開している情報をもとに、アップデートごとの武器使用率や勝率を公開していきたいと思います。

 フェスマッチ期間も考慮したかったため、ナワバリバトルに限定させていただきました。Xマッチ収集ではなくガチマッチ(バンカラマッチ)の情報ではないことから一部の方の興味とは外れてしまうことをお詫びします。

 使用率と併せて勝率も出してはいますが、勝率はあくまで参考程度にご覧ください。

1.計算方法とデータの総数

 stat.ink の認知の都合、日を追うごとに集計できる試合数が増えることに留意が必要です。stat.ink はゲームの実データではなくプレイヤーの参加によって成り立っているため、参加人数が少ない初期ではデータ数が少ないです。

 データ数が多いほど実際のゲームに近い統計分析が可能となるため、初期(今回の統計では1月17日以前)の分析は実際のゲーム環境とは大きく異なる可能性があります

 今回の記事では、任天堂によるアップデート履歴を基に以下の日程で分類しました。

  • Ver. 1.2.0 - 2022/10/26 ~ 2022/10/27 (データ数: 1,137)

  • Ver. 1.2.1 - 2022/10/28 ~ 2022/11/29 (データ数: 46,458)

  • Ver. 2.0.0 - 2022/11/30 ~ 2022/12/08 (データ数: 8,034)

  • Ver. 2.0.1 - 2022/12/09 ~ 2023/01/17 (データ数: 46,535)

  • Ver. 2.1.0 - 2023/01/18 ~ 2023/02/08 (データ数:836,116)

  • Ver. 2.1.1 - 2023/02/09 ~ 2023/02/27 (データ数:180,635)

  • Ver. 3.0.0 - 2023/02/28 ~ 2023/03/08 (データ数:70,700)

  • Ver. 3.0.1 - 2023/03/09 ~ 2023/03/30 (データ数:148,365)

  • Ver. 3.1.0 - 2023/03/31 ~ 2023/04/06 (データ数:229,481)

 ※ Ver.3.1.0 は現在入手可能なデータのみ利用

2.全体の傾向と一覧

Ver.1.2.0 ~ Ver.2.1.0 5位ごとに線分け
Ver.2.1.1 ~ Ver.3.1.0 5位ごとに線分け

 上の表はブキごとの使用数を全ブキの使用数で割った「使用率上位」です。
 やはり上位に食い込んでくるのは、その時期に人気だったブキという印象です。
 ナワバリバトルであるためか、癖が少なくそれなりに塗れるブキが使用率高いといったところでしょう。
 ネット上での評価や人気とある程度同じといえるのではないでしょうか。
 アプデにより追加されたブキが人気になったり、弱体化や強化を受けたブキ人気が変動する様子も見て取れるかと思います。

 以下で、実際の数字と内訳とともに詳しく見ていきましょう。

3.アップデート別使用率

Ver. 1.2.0 (2022/10/26 ~ 2022/10/27)

Ver. 1.2.0 使用率順 上位25種まで

 Ver. 1.2.0はそもそものデータ数に乏しく、また2日でアップデートが行われたため、正しいデータとは言えないと感じています。参考程度にお願いいたします。

Ver. 1.2.1 (2022/10/28 ~ 2022/11/29)

Ver. 1.2.1 使用率順 上位25種まで

 新ブキ追加前(初期ブキ編成)最後の期間です。第2回フェス(パートナーに選ぶならどのタイプ?)が開催された時期でもあります。

 飛びぬけてシャープマーカーわかばシューターの人気が高いことが伺えます。

 わかばシューターはフェス開催を受けて新規プレイヤーが増えたのかもしれませんし、 あるいは単純な強さと使いやすさによる人気かもしれません。

 シャープマーカーは使いやすさと強さを兼ね備えるため今でも大変人気がありますが、この時期においてもそれは健在です。むしろ追加ブキがなく初期ブキで選ぶならこれという人はかなり多かったのではないでしょうか。

 なお、スプラシューターはヒーローシューターレプリカと合わせると、わかばの使用率を超えます。3確短~中射程シューターとして、シャープマーカーと同様の存在となっていました。ある程度の射程と長射程対策(ウルトラショット)が欲しいからこっち、という人向けのブキです。というよりも筆者の周りではシャープマーカーが嫌いすぎてこれ選ぶという人が多かった気がします。

Ver. 2.0.0 (2022/11/30 ~ 2022/12/08)

Ver. 2.0.0 使用率順 上位25種まで

 個人的に最も興味深い期間です。1週間半という短い時期ではありますが、表がかなり特徴的です。

 このアプデでは新ブキが追加されました。上位5種全てがこのアプデで追加されたブキです。ここで多くの人が試しで使ってみたという影響が出たのだと感じます。強いか弱いかは自分で触ってみないと分からない。といった感じで。
 今の期間を考えるとこの時期の使用率はちょっと面白く感じてきます。

 例えば前の期間 9% 超えだったシャープマーカーが 3% を下回っていること。使用率でいえば3分の1になっているわけですから、新ブキへの興味の高さが伺えます。

 さらには今の時期ではさっぱり見なくなってしまいましたが、R-PEN 5H が9位で、どのチャージャーよりも多い3.7%となっていること
 スペースシューターが4位で使用率5%を超えていること

 総計でいえばデータ数は少ないですが、この時期のブキへの興味・関心が他の時期とは大きく異なることは読み取れるかと思います。

Ver. 2.0.1 (2022/12/09 ~ 2023/01/17)

Ver. 2.0.1 使用率順 上位25種まで

 前アップデート配信からおよそ1週間半後のアップデート以降です。第3回フェス(好きな味は?)が行われた時期でもあります。

 おそらく多くの人が新ブキに対して自分なりの評価を下したのでしょう。 もみじシューター、プロモデラーRG、スプラシューターコラボ、プライムシューターコラボを残して新ブキは上位から去りました

 代わりに台頭してきたのがシャープマーカーです。驚異の11%超え。
 ネット含めプレイヤー間に新ブキの評価が安定し、適正ギアや対処など環境構築がなされたころだと感じます。

 とんでもなく面白いのがあれだけ話題にされ前の時期では5%を超えていたスペースシューターは上位25種のどこにもいないこと(0.842%まで減少)

 メイン・サブ共に塗りに特化し、強力なスペシャルを持つプロモデラーRG(通称金モデラー)はポストLACTのポジションへ。
 塗り力とキル力を併せ持つスプラシューターコラボ(通称スシコラ)は無印との差別化(無印・コラボ両方ともに別の強さ)。
 トーピード・ホップソナーで敵位置を把握しながらインク効率の良いメインを持つもみじシューター。
 これら3種は扱いやすく強力という評価で落ち着き、使われる理由が単純に「新ブキだから」という理由ではなくなったことへの証明でしょう。

Ver. 2.1.0 (2023/01/18 ~ 2023/02/08)

Ver. 2.1.0 使用率順 上位25種まで

 一周回って元に戻ったような感じしてます。

 シャープマーカーとわかば、スプラシューター(ヒーロー)、52ガロンが上位に台頭しており、金モデラーともみじは安定。そんな感じでしょうか。

 スペシャル発動ポイントが高くなりインク消費量が上がったスクリュースロッシャーは順位を下げ、サメの硬直が短くなった銀モデラーは順位を上げ、というように、修正が加わった一部ブキは使用率の上下がみられますが、使用率はいったん前の状態にリセットされた、そんなようにも見受けられます。

 ただしイカニンジャの仕様変更によりカーボンローラーデコはもろに影響を受けたと感じています。

 総じて Ver. 2.1.0 では「ブキの安定」を強く感じられる使用率となっていました。

Ver. 2.1.1 (2023/02/09 ~ 2023/02/27)

Ver. 2.1.0 使用率順 上位25種まで

 大規模アップデート前ラストです。第4回フェス(チョコレートはやっぱりコレ!)が行われました。

 おおよそ前と同じと感じます。
 ジムワイパーやスプラローラーの人気が伺えますが、基本的には変わらず人気のブキは安定しているといったところです。

 アップデートであまり変化を加えていないことが要因でしょうか。

Ver. 3.0.0 (2023/02/28 ~ 2023/03/08)

Ver. 3.0.0 使用率順 上位25種まで

 大規模アップデートです。新ブキが追加されています。

 そのおかげでランキングはかなりの変化です。

 上位5位に N-ZAP 89(赤ザップ)、スプラローラーコラボ、.96ガロン・デコ、シャープマーカー・ネオ がランクイン。
 やはり前回と同様、新ブキの人気の高さが伺えます。
 チャージャー・コラボやラピッドブラスター・デコ、ジェットスイーパー・カスタムなど他の新ブキも見られ、新ブキをとりあえず使ってみようかなという考えの反映はあるかと。

 個人的に気になるのはそんな中でも相変わらず高い人気の金モデラー。他の追随を許さない塗り力の高さが人気につながっているのだと感じます。

Ver. 3.0.1 (2023/03/09 ~ 2023/03/30)

Ver. 3.0.1 使用率順 上位25種まで

 で結局金モデラーが1位を奪還しました。

 前のときとは少し異なり、新ブキ人気が極端に下がることはありませんでした。
 使いやすさ重視の新ブキが多かった印象で、今回の新ブキ系は実践でもかなり使いやすいブキであったことは間違いありません。

 前まで少し下がっていたリッター4Kが上がってきました。

Ver. 3.1.0 (2023/03/31 ~ 2023/04/06)

Ver. 3.1.0 使用率順 上位25種まで

 現在の最新バージョンです。

 スプラシューター・コラボ人気が戻ってきました。
 Ver.3.0.0 で追加された新ブキと共に今までの安定人気ブキたち。

 これからしばらくはこのブキたちで事が進みそうです。


4.データの取り扱いと計算方法

 先のとおり、今回の使用データは stat.ink が収集したデータを利用したものです。

 今記事ではこのデータの中から「ナワバリバトル・ブキ・勝敗」のみを使用し、並び替えを行い分析させていただきました。

 また初期ではstat.inkのスプラトゥーン3利用者が少ないことから、分析利用対象を「Splatoon 3 - Ver. 1.2.0 ~ Ver. 3.1.0 (2022.10.26 ~ 2023.04.06[記事執筆次点で最新版]」に限定しました。

以下が今回行ったデータ並び替え手順です。

  1.  Excel のフォルダからデータ抽出機能を用いて 2022-09-26.csv ~ 2023-04-06.csv をコンマ区切りで全データ抽出

  2.  日時列を用いて2022/10/25スケジュール以下(26日AM1:00までを含む)のデータを削除

  3.  ゲームモード列からナワバリのデータのみを抽出

  4.  日時、ブキ(A2-B4)、勝負結果 以外の列を削除

  5.  日時列をコピーし、現在あるセルの下に合計6回ペースト(この後ブキを一列に並べるため)

  6.  A2-B4のブキをそのまま一列にまとめる

  7.  A2-A4ブキは日時列と同様勝利チームをコピペ

  8.  B1-B4の場合は勝利チームのalpha/bravoを入れ替える

  9.  アプデ履歴を確認し、その日付ごとに別シートにまとめる

  10.  ピボットテーブルで集計

 ※1 stat.inkからダウンロードするデータは文字コードUTF-8のため、必要な場合はメモ帳などでShift-JISに変更する必要あり。
 ※2 A1のプレイヤーはstat.ink利用者のため偏りを無くす目的で削除、これにより1試合当たりのプレイヤー数は7人という扱いとしている。
 ※3 9を行った理由は、勝利チームを入れ替えることで、武器に付帯する勝利情報がalphaなら勝ち、bravoなら負け、と単純化できるため。

 分析に使用したExcelワークシートは以下のリンクからダウンロードできるようにしておきます(重いのでPCのスペックにより動かない場合があります)。

https://drive.google.com/drive/folders/1-eaS7CIP8lCLDfnEaVQKb1UbeCzLPg-C?usp=sharing

5.おわりに

 使い勝手、強さ、味方への支援率、いろいろな要因のもと人気の武器というのは変わってきます。対戦ゲームというジャンルの中では、まだ始まって間もないスプラトゥーン3。これからどういった変化や人気が起こるのか楽しみです。

 以降もまたいつかのタイミングで分析を行っていきます。

 最後までお読みいただきありがとうございました。また何かの機会にお会いできれば光栄です。

 それでは、また。


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