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「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」要約と超監視社会について

どうも、「ホントのメディア」~ビジネス本の要約・書評・日記サイト~運営者の武信です。

「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」という本の要約を書くのと、超監視社会について述べていきます。

目次。

1 「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」の要約。

2 超監視社会について。


1 「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」の要約。

まずは要約から。

日本は米国をスパイすることは怖くてできませんが米国は日本をスパイできると考えています。

日本と米国は言語、価値観、文化が違うので対等なパートナーであるとは米国の官僚たちは考えていません。

NSAは外国との関係を3つのグループに分けています。

1つ目は米国自身を含む「ファイブ・アイズ」であり、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージランドの英語圏です。

これらの国々はNSAが収集した情報を頻繁に共有します。

2つ目は協力を求めながらも同時にNSAの大規模なスパイ活動の対象にもする限定的協力国です。

日本、ドイツ、ブラジル、フランス、インド、パキスタン、スウェーデン、トルコ、イスラエルなどが該当します。

3つ目が協力関係はほとんどなく、日常的に監視の対象としている国です。

中国やロシアなどです。

特定秘密保護法案はスノーデンの告発の半年後の2013年12月、日本の国会で強行採決されました。

国が「秘密」と指定した文書の内容を他人に漏らすと最高懲役10年の罪に罰せられます。

他人に漏らすのを助けた人も罰せられます。

つまり、国にとって都合の悪い文書を合法的に闇のなかに隠しておけるのです。

特定秘密保護法が2014年末に施行されてから政府の「秘密」は増え続けています。

政府の特定秘密文書は2015年末の時点で27万2020点、前年から8万点以上も増えました。

しかもこれらの秘密ファイルの件名は衆議院の情報監視審査会には具体的に開示されず、国会のチェックは行き届いていません。

日本の政府報道の自由度ランキングは6年前は11位だったのですが、2016年には72位にまで転落しました。

ランキングを毎年発表している「国境なき騎士団」(本部・パリ)は秘密保護法の影響で「多くのメディアが自己規制し、独立性を欠いている」と主張し、その自己規制の対象は特に安倍晋三首相であることを理由に挙げました。

安全保障、震災、原発などの分野では特に機密指定されて、報道規制される傾向があります。

特定秘密保護法により内部告発者を守る力も弱まっています

日本人を含む非・米国市民は米国市民以上に電話やネットの情報を米国に収集されやすく、日本の私たちの情報は米国の令状なしで収集されています。

日本の市民も監視されています。

スノーデンは言いました。

「答えはもちろん、です。なぜならそれがコレクト・イット・オールだから。だれひとり例外なく傍受され、同じバケツに入れられる。それが無差別監視です

2015年夏、NSAの大規模盗聴事件が内部告発メディアのウィキリークスによって公表されました。

NSAは日本の省庁、日本銀行、大手商社など計35回線を長期にわたって盗聴していました。

「ターゲット・トーキョー」事件です。

NSAは少なくとも2007年の第一次安倍内閣時から内閣府、経済産業省、財務省、日銀、同職員の自宅、三菱商事の天然ガス部門、三井物産の石油部門などの電話を盗聴してきました。

盗聴していた内容はいずれもテロとは無関係な金融、貿易、エネルギー、環境政策でした。

NSAは盗んだ情報をホワイト・ハウス、国務省、CIAといった「お得意様」に渡しています。

日本が米国のパートナーとはいえ、経済、貿易、エネルギー、金融、環境などの分野でライバル視していることは明白です。

そして、日本の政治家や官僚は米国の思惑をかなり気にしています。

米国の機嫌を損ねないように気をつかい、日本の指導者層の対米追従は心の芯まで深く浸透しています。

2013年特定秘密保護法が成立し、2016年に盗聴(通信傍受)法改定による盗聴対象の大幅拡大と手続きの簡略化、そして2020年のオリンピックに向け、日常的コミュニケーションを監視する共謀罪新設法案の国会提出と日本の監視システムは拡大しています。

NSAの世界監視システムはテロ対策目的で構築されましたが、外交スパイ、経済スパイというテロ目的以外で使われています。

テロを未然に防ぐこともできていないのになぜNSAは存続しているのでしょうか?

理由はテロ対策以外のことに役立つからです。

標的は政府や企業だけではありません。(外交スパイ、経済スパイだけではない)

報道機関、ジャーナリスト、市民の抗議、請願、著名、調査といった民主主義に不可欠な政治行動も狙われています。

スノーデンは言います。

「諜報機関はあなたのメールを読み、フェイスブックの書き込みを見て、電話の内容を聞いているだけではない。JTRIGはネット上の世論調査、投票、評判、会話の操作にも知恵を絞っています。

どうやったら世論調査に影響を与えられるか、どうやったら投票行動を変えられるか、新聞記事へのフィードバックやオンラインのチャット、あらゆるネット上の議論の場に潜入しようとしている。

世論に影響を与えそうなリーダーが現れると、その人物のアカウントに入り込んで写真を取り替えたり、仲間内で評判を落とすようなネット行動を取ったりもする。気に入らない企業に対しても同じことをします。

これが表現や報道の自由の世界チャンピオンを名乗ってきた西側民主主義国のやっていることです。英国政府が税金を投入している事業です。サイエンス・フィクションではない。現実なのです

スノーデンは大量監視の被害を受ける人々が権力に立てつく人とは限らないことをこうして私に知らせた。

「これは犯罪捜査やテロ対策とはなんの関係もない。権力の濫用です。濫用がルーティン化している。しかし濫用は秘密に守られ、けっして表には出ない」

NSAでは私的な濫用も頻発しています。以上、ここまで。


2 超監視社会について。

「ビジネスエリートのための!リベラルアーツ哲学」も参考にしながらまとめます。

パノプティコンという仕組みがあります。

中央に監視塔があり、その周囲に円環状に独房が配置されていて、監視塔からは独房は見えますが、独房の側からは何も見えないため、独房にいる囚人は監視党にいる看守を常に気にかけて生活するというものです。

スノーデン氏の暴露によって世間で要注意人物と思われる人たちは勝手に監視されているかも?と思い、用心して過ごすことになります。

AmazonやFacebookはユーザーの個人情報を収集していて、広告により購買行動をコントロールできますし、選挙にまで影響を与えられます。

プライバシーも侵害されるのは当然です。

IT端末を持つことにより、消費者や国民は利便性と引き換えに自ら監視されて個人情報を渡すことをしているのです。

監視されるということはテロの脅威は減り、安全がもたらされる利点はあるし、IT端末やネットは便利で生活に欠かせなくなっていますが、同時にプライバシーは失うことになります。

プライバシーなど気にしないで開き直ればいいと言う人もいて、実際にほとんどの国民は「自分は監視されるに値しない」と思い、大して気にしていないように思います。

しかし、見られることを全て認めることなんて公人でさえなかなかきついことです。

また、見られることを気にしない戦略を採っても、共謀罪などがあるため、嫌疑をかけられる恐れは常にあり、権力とはそういうものです。

権力の濫用は起こる可能性が高く、プライバシーなんてもはや消滅した時代に僕たちは生きているのです


参考・引用文献。

「ビジネスエリートのための!リベラルアーツ哲学」

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