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第2回内科専門医/第178問(内分泌)/2022

第 2 回内科専門医試験
2022年度予想

31歳の女性。2か月前の健康診断で高血圧を指摘され来院した。1年前の健康診断時は正常血圧であった。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。脈拍76/分、整。血圧180/110mmHg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球455万、Hb 12.8g/dL、Ht 38%、白血球5,800。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン4.3g/dL、尿素窒素14mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、総コレステロール208mg/dL、Na 143mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 102mEq/L、ACTH 14.4pg/mL(基準60以下)、コルチゾール8.3μg/dL(基準5.2~12.6)、アルドステロン15ng/dL(基準5~10)、血漿レニン活性51ng/mL/時間(基準1.2~2.5)。CRP 0.2mg/dL。腹部大動脈造影像と左腎動脈造影像とを別に示す。
この病態について正しいのはどれか。
a. Liddle症候群
b. Bartter症候群
c. 線維筋性異形成
d. 甲状腺機能亢進症
e. 原発性アルドステロン症

< ここから解答・解説になります >


解答

c

解説

33歳という若い年齢の女性が高血圧を指摘されている。粥状硬化によるものではない原因がありそうだ。アルドステロンと血漿レニン活性の上昇があることから、続発性アルドステロン症のパターンである。画像より左腎動脈の狭窄を確認でき、腎血管性高血圧と診断される。線維筋性異形成が考えやすい。若年者では線維筋性異形成が、中・高年者では粥状動脈硬化が主な成因となる。
a 偽性アルドステロン症の1つであり、アルドステロンとレニンが双方とも低値となる。
b Bartter症候群では高血圧を示さない。
c 正しい。上記の通り。
d 甲状腺機能亢進症は続発性アルドステロン症を呈さない。
e 原発性アルドステロン症ではレニンが低値となる。

参考

二次性高血圧の診断と治療 1)腎血管性高血圧の診断と治療〔日本内科学会雑誌 107 巻 9 号 1753-1760, 2018〕

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