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総合内科専門医/第95問(循環器)/2018

総合内科専門医試験
2018年度予想

68歳の男性。最近、畑仕事をすると前胸部痛が出現するようになり来院した。高血圧症と脂質異常症とでかかりつけ医に通院中である。
心電図所見:胸部誘導において陰性T波を認める。
心エコー図所見:前壁中隔中部から心尖部と後壁の一部とに壁運動異常を認める。左室駆出率 55%。
冠動脈造影検査所見:左前下行枝中間部にびまん性に 90%狭窄、回旋部中間部に 90%狭窄、右冠動脈遠位部に 90%狭窄を認める。外科的手術リスクは低く(STS risk score 2.3%)、冠動脈疾患の解剖学的リスクも低い(SYNTAX score 19点)。この患者に対する治療方針として適切なものはどれか。1つ選べ。
a. 内服加療を強化して経過観察とする。
b. 冠動脈バイパス手術を勧める。
c. 冠動脈インターベンション(PCI)は勧められない。
d. 壁運動の低下がみられる領域に対しては治療の必要はない。
e. 薬剤溶出性ステントよりもベアメタルステントが勧められる。

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解答

b
労作性狭心症

試験でのポイント

かつてCABGは、多枝病変や左主幹部病変に対する第一選択の血行再建法であった。しかしながら、DESの登場によりPCIの適応が拡大され、さらに第二世代のDESによって再狭窄やステント血栓症が減少し、従来CABGの適応とされてきたこれらの病変に対しても、日常的にPCIが行われるようになってきている。
今日の血行再建法の選択に最も大きな影響を与えているSYNTAX試験について、一度目を通しておくこと。下記にまとめた。

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1,431字

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