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砂つぶの時間

幼かった頃、時の流れには音があった。それは、例えば午後の早い時間に聞くことができた。カーテンの隙間から差し込む光の道に、きらきらした埃が舞うのだ。見つめていると、耳の奥に、つぶつぶつぶつぶ…と、粒子のような音が鳴り続けた。時の流れる音だったのだろう。

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