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【本で語る/本を語る】頭木弘樹『自分疲れ』(創元社)

 人間について、「こころ」と「からだ」を分けてあれこれと考えるというのは、相当に根強く、リアリティの感じられるモデルなのでしょう。

 「心からお願いします」、「肉体労働」、「精神性」──そうした言い回しや語彙のなかにも、〈心身二元論〉的な思考ははっきりと表れています。

 けれども、そのようなモデルはおそらく万能ではないし、時と場合によっては、私たち人間を苦しめる元凶なのかもしれない。

頭木弘樹『自分疲れ』(創元社)

は、そうしたテーマと真っ向から対峙しながら、人間をめぐる、新たな像、新たな生き方を模索する一冊です。「あいだで考える」という、「10代以上すべての人のための人文書のシリーズ」から刊行されています。

 10代から、こうした良書とめぐりあえる子どもたちは、本当に幸せだなと思います。


【自著の宣伝】
『つながる読書』(ちくまプリマー新書)

"読み書きのプロ"たちが、読書について、人生について、熱く熱く語ります。本書を通じて、一人でも多くの若者たちが、"人生の一冊"と出会うことができますように。


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