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後悔ダケガ人生ダ

小学校一年生の頃、母が、目の病に罹った。日中はまぶしくて目を開けられない状態だったので、母は私に、手を引いて病院へ連れていってくれと頼んだ。私は、「恥ずかしいからヤダ!」とごねて、母を困らせた。それでも仕方なく、野球帽を目深にかぶって地面を見つめながら、母の手を引いて病院に連れていった。母は、「ごめんねぇ、ごめんねぇ」と、まぶたを閉じたまま私に謝った。私は答えずに、黙々と、不貞腐れるばかりだった。胸を掻きむしりたくなる思い出の一つだ。

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