あっち側の住民投票とか今 その1 忘備録

市民が勝ち取った都構想住民投票の否決。それに異論はない。そもそも自分も街宣したりポスティングしたりしたんだし、そう思いたい。それとは別に昨年9月には14%差で上回ったいた「賛成」をひっくり返された側はどう思っていたのか。そんな記事は見ないのでちょっと聞いてきた。

「公明党が賛成、吉村人気。勝てるとは思ってたなあ」。そう振り返る、ある維新市議は自分たちがいかに浮ついていたかエピソードを話してくれた。

「期数で順番で決めていた市議会議長を党内で選挙で決めたいと言い出した。2025年に大阪市は廃止なので順番で決めたら名誉ある議長になれない議員も出てくるから。もう大阪市なくなるとしか思ってない」(えらい早くから浮ついてたんやな…)

9月19,20日世論調査 賛成14ポイントリード

調子に乗る議員もいる一方で”現場の肌感覚”しか信用できないというこの議員は微妙に「ほんまか?」と感じていたという。SNSに活動報告を上げたら維新の支持層エリアを敵にばれるからと一切ネットにあげず地道に説明会をやっていた。「公明党ポスター貼ってある区内の民家を1棟1棟訪ねると10人中3人は『反対』、残りは『決めてない』…賛成おらんやん!ってなるわな」

賛成に回った公明党について都構想運動の陣頭指揮を執った今井豊府議に聞いてみた。

「公明党議員も一生懸命頑張ってくれてた。けど反対から賛成やから『内部でだいぶ反対がある』とはいつも言っていた。山口代表が来た時にはすごい空気がよくなったんやけどね、これはいけるわ思たよ(笑)『学会員さんは(指示を)3日あったら下まで下せる』とよく言われるんですんなり下りるやろうなあって思うわな…」(全然下りへんやん…)

10月3日、4日 賛成4ポイントリード 

10月4日の住民説明会最終日に足を運び、松井市長、吉村知事の囲み取材に参加する。記者の取材が終わるころ、吉村知事が「記者の皆さんも昔の大阪を知っているでしょう。僕はもっと書くべきやと思いますよ」と厳しい表情で記者に注文をつけていた。(あ!メディア誘導しとる!)世論調査が公表される直前だったが数字は知っていたのだろう。差が思いのほか詰まっていることへの苛立ちを感じた。

「告示後からやね。同じ場所で定点的に街宣しているとビラの受け取りが悪くなってきた。それに歩いている人からの質問が増えてきた。普段は維新を支持してくれるような市民からも『大阪市なくしたらうちら寂しいやん』とか言われるようになってきた」(今井氏)

新聞や議員の話によれば10月中旬、今井府議が世論調査で苦戦している区の連絡係議員を呼び出して激を飛ばす。呼び出しを食らった議員はこう明かす。「隣の区の議員は呼ばれてなかった。俺らめっちゃ苦戦してんのになんでやろ?と不思議がっていた。案の定うちの区は僅差の負けやけどそこは大敗しとった。世論調査に頼りすぎたのも負けた要因だ」

今井府議はどういう思いで呼び出してネジを巻いたのか。一つには同じ場所で駅立ちばかりするようでは駅に用事のない高齢者や子育てする主婦層に訴えが届かない。だからもっと「辻立ちするよう」にはっぱをかけたそうだ。日頃の活動で出会わない層へ丁寧な説明をしろということだ。

そこには今井府議や維新の分析があると思う。今井氏が続ける。

「賛成と反対の活動が激しくなってきた告示後でも、どっちのいう事を信じたらええかようわからんと市民に声をかけられた。2,3割の市民は『わからない』。ここはまだアプローチが足りないし、維新がまだ出会ってないところでここにしっかり訴えようということだった」(11月1日投票所に足を運びながら迷う市民に『反対理由』を説明した市民活動が、わからない層を結局は捕まえたことが否決に繋がったんや! あれ大きかったな)

終盤戦は”泥仕合”の様相を呈してくる。「吉村・松井=VIPが来るかどうかにかかってきた。コロナ禍でたまたまきた感じでやるから告知するなという指示。たまたま来ました~!みたいな演出をしつつ。上もようわからんようになっていたのではないか、松井市長にはドタキャン食らったりしてたから…」(南部の維新市議)※ここが腹立つところ。コロナ禍で「第3波」の入り口に立ちながら、わかっていながら、吉村が来ました~、キャア~などと燥いでいたわけだから。偵察していた激反対派のマダムのカメラにまでアホ面して手を振っていたという悲劇……

続く




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