DAO(自律分散組織)の可能性と地方創生:DAOについて、その②(#web3)
こちら先週のDAO(自律分散組織)の考察に続いて2つ目(今回で終了です)。その①は👇。
①でぼんやりと見えてきたDAOの定義。結構否定的な要素も出てきて、まだまだベストプラクティスがなく色々な人たちが「試してみている」世界。でも結構はっきりと出ていたのが
そして2週間続けてClubhouseでもこのトピックでディスカッション。
報酬やトークンと法定通貨の関係
やはり最初にある程度クリアしないといけないのが報酬やトークンの法定通貨との関係。やはり「働く」ということはそれなりにみんな「生活」というものがあるしそこは大事なところ。
活動による報酬について
いくつかの見られる、もしくは話しを聞けるプロジェクトでの確認だが活用による報酬については
・短期的な報酬は求めていない(生活に必要な資金は他で得ている)
・報酬は法定通貨で支払っている
のどちらかだった。まだトークンが短期的な報酬として動いているというケースは自分たちの近くの例ではなかった。
参考までにアスターネットワークの例
トークンと法定通貨の関係
ではインセンティブと連携するトークンの場合はどうだろう?こちらも自分たちで見た例ではトークンは法定通貨とは繋がっていない(交換できない)。私見ではあるものの、ここはかなり複雑な問題。
と、どちらにしてもかなりハードルは高い。エコシステム作りというのはもちろん簡単であるべきでないが、近道はない、といったところである。
ただこのエリアについてDAOの先駆者たちは「まずはやってみる」ということでスタートしている。
日本のブロックチェーン特区構想「DAOヶ島」
その中でも「DAOヶ島」構想について話を聞く機会があり、これはかなりのショックだった。今まで議論を重ねてきた地域創生のプロジェクトでもありすごく興味深かった。
人口170人の日本最南端の島「青ヶ島」の地方自治体ごとのDAO化である。是非興味を持った人には詳細を見てほしいが、そこで聞いた話では
① とても優秀な人たちがとりあえずは短期的な収益を考えずに(みんな他で生活を立てている)行動し、先遣隊たちには移住を考えている人もいる。
② 青ヶ島の住民がすべて賛成したわけではないので、まだ構想段階。
③ とにかくハンパない圧倒的な行動力が見られる
やはり地方創生というアングルから見ると②が大事で、ここで内部の人達と外部の人達で共通の価値観、と共有できる熱量が創り出せれば、そこを組織化するのはDAOの特性上からとても良い可能性を持っているかもしれない。
同じ地方創生の例で外部から資本が入っているところでやはり頭に浮かぶのは北海道のニセコである。
このニセコへの資本の多くは不動産への投資なのでかなり大きな資本が必要であり、あまり多くの人が貢献することはできない。ただしDAO化された地方へもっと小さな「貢献」をトークンによるインセンティブで動かせるのであれば、これは地方創生への投資の小口化ができ、さらに世界中からリソースを募ることができるということになるかもしれない。
まとめ:結局DAOとは?ジャパニーズDAO?
ディスカッションの最後で「報酬形態や法定通貨との関係性を綺麗にしてからスタートしないと海外では人が動かない」というコメントもあったが、確かに我々が身近に見ているDAOは現時点ではボランティア色もかなりある、ジャパニーズDAOかもしれない。でも先駆者たちはボランティアで終わるのではなくその先のエコシステム(生態系)やトークンエコノミー(代替通貨経済圏)の形成も考えていながらも、とりあえず「行動、行動、行動」(これもclubhouseで出た表現)からスタートしているように見える。
日本でありがちな自分達が在籍する組織にある意味「縛られている」人たちがもっと自由に仕事をする形かもしれない、と考えると転職、副業に加えてジャパニーズDAOも将来の働き方の選択肢の一つなのかもしれない。
③を考えるとやはり「価値」の理解のさらなる多様性であり、人によってモノや体験に対して感じる価値というのは違うし、違って良いということである。一つの価値観、一つの外見、一つのコミュニティなどに縛られず楽しく生きていく世界というのは実はそれこそメタバースの定義であり、VR用のゴーグルをかけていようがかけていまいが、実は既にみんなメタバースの世界は体験しているのであるというのが実は僕の持論である。
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