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松田隼風

皆さん大変ご無沙汰になります。

セタゲンゴです。

すでに皆さんご存知かとは思いますが、先日松田隼風のハノーファー96へのレンタル延長が決定しました。

ちょうど1年前に隼風をドイツに送り出したのですが、本当に逞しくなったなと。

ドイツでは4部リーグ北部地区に所属するU23チームの主力として戦ってきましたが、怪我以外ではほぼ主力としてピッチに立ち、見事リーグ優勝に貢献しました。

そして3部リーグ昇格をかけたプレーオフで、Würzburger Kickersというクラブとホーム&アウェイで激突したのですが、そのセカンドレグで、延長PKまでも連れ込んだ激闘でピッチに立ち続けた隼風は、延長前半に豪快なゴールを決めるなど、まさに大車輪の活躍を見せまして。

ドイツ4部のプレーオフながら、25,000人が詰めかけたこの一戦は、PKの末にハノーファーU23が勝利して見事に3部リーグ昇格を勝ち取ったのです。

※ハイライト:隼風のゴールは2分くらいから

この活躍ももちろんのこと、1年を通しての活躍や成長が評価される形で、隼風のレンタル延長のリクエストが届いたということになります。

それにしても昇格が決まったあと、25,000人がスタジアムになだれこんでパーティー状態になってましたが、そのスケールの大きさには脱帽です。

改めてドイツサッカーの人気の凄さを感じました。

※以下写真はハノーファースタッフから

トップが使う5万人のアリーナに2.5万人入ったそう
昇格決まって雪崩れ込み
即席パーティー状態

隼風の評価

では具体的に隼風がどういう評価なのか、それをお伝えできる範囲でお教えします。

昨年11月に松田佳大(現京都サンガ)と得能草生を連れてハノーファーに行ってきたとき、U23の監督やアカデミーダイレクター、スポーツダイレクターとMTGをしましたが、そこでもかなり高い評価を受けていました。

得能、松田佳が練習参加

何がか、というと、まずはキャラクター。

U23チーム監督の話ですが、

「ハヤテは来た当初から、(言葉はわからないのに)すぐにチームに馴染んでいた。いつもニコニコしてチームの輪に入っていたよ」

と。

彼のオープンな性格や、12歳で親元を離れているキャリアもあって、新しい環境に馴染む能力に長けているのかもしれませんね。

実際チームメートとのやりとりを見ていても、ちょっかいを出し合ってふざけ合っている様子から、みんなに可愛がってもらってるのだろうなという印象でした。

また色々なフィジカルテストでも、特にスピードに関してはかなり良い数字を残していたようです。

U23チームの中ではトップクラス、トップチームに入っても遜色のない数字を出していたことは重要なポイントです。

攻撃面ではその強みが存分に発揮されていたようで、その辺は素晴らしい、と言ってました。

一方で課題はやはり語学。

「ハヤテとはスマホの翻訳機能を使わないと細かい会話ができないんだ」

とはU23チームの監督の言葉。

「戦術が理解できていないのか、言葉が理解できていないのか、最初の頃はそれがわからなかった」

という話からもわかるように、やはり少しでも早くチームに入っていく上で語学能力もまた、とても重要なんです。

言葉の問題で戦術理解ができていないと、サイドバックとしては失点に繋がってしまう可能性もあるので、そこに関してはやはり強い指摘がありました。

この辺は後半は頑張って勉強した、と本人からは聞いていますが。

まあきっと、まだまだ伸びしろが98%くらいあるでしょうね(笑)

U23チームならではのチャンス

ちなみにハノーファー96のトップチームは、左利きに怪物クラスの選手がゴロゴロいるのですが(元ドイツ代表、現ドイツU23代表など)、2024年に入ってから隼風もトップチームの練習に少しずつ呼んでもらえるようになっていました。

そして2024年2月、チャンスが舞い込みます。

左サイドアタッカーの選手が、トルコの名門ガラタサライへ電撃移籍。

ドイツを含む欧州主要国は1/31で移籍ウィンドーが閉まったのですが、トルコは1週間ちょっとウィンドーが開いていて、そのタイミングで引き抜かれたことになりまして。

つまりハノーファー96としては主力が抜かれて補強できない状況。

となると、チーム内でポジション変更するか、自クラブの下部組織から補充するしかないわけで。

そこで隼風もその候補に入ってきたわけです。

ということで、そこから隼風も合計で6週間くらいはトップチームで時間を過ごすようになっていきました。

結局トップ契約やトップデビュー(ブンデスリーガ2部)には至っていないものの、それだけ長くトップで経験できたことは、本人にとっても大きな経験になったでしょうし、そもそもハノーファー96からも高い評価を受けていることの証明です。

実際、隼風以外にもU19エースくんとU23エースくんが一緒にトップチームに帯同になっていたのですが、この2人はそれぞれトップ契約を締結し、どちらも後期のうちにブンデスリーガ2部デビュー。

U23エースくんに至っては最後の方はトップチームでもスタメンを勝ち取り、ゴールも決めてMVPに選ばれるなど、飛躍的な成長を見せてました。

こういうのは隼風にとっても大きな刺激になったのではないかと思います。

ちなみにレンタル延長の交渉の中で、ハノーファー96のスポーツダイレクターからあった言葉として、

「(来季も)U23でのプレーとなるが、トップチームへ昇格するポテンシャルがあると考えているからのレンタル延長オファーだ。U23チームの選手としてだけだったら、自クラブのアカデミーの選手と契約する方がいい。可能性を感じている証拠だと思ってもらってよい」

と。

もちろんなんの保証もありません。

本当に良ければ現時点で完全移籍となるわけですから、そこはまだまだたらない部分があるということでしょうし、その部分の成長に期待するばかりです。

水戸から世界へ。

隼風がこの最初の扉を開けたわけですが、本当の意味でのステップアップが楽しみです。

隼風が完全移籍になる日を信じて応援していきましょう。

ドイツ3部とは

ちなみにハノーファー96U23が来季戦うドイツ3部とはどんな世界なのか。

はっきり言って超ハードなリーグです。

20クラブ中14クラブは過去にブンデスリーガ1部または2部を経験しています。

ちなみにハノーファー96のようにU23チームは所属できる最高リーグがこの3部リーグまでなのですが、来季はここにドルトムントU23、シュツットガルトU23、ハノーファーU23が所属することになります。

つまりここにはバイエルンU23もボルシアMGU23もシャルケU23もいないんです。

それくらい在籍が難しいリーグなんです。

技術はブンデスリーガ2部よりはやはり劣りますが、ハードワークの部分は遜色ないですから、まさに隼風にとっては絶好の成長の場になるはずです。

しかもトップチームはブンデスリーガ2部、U23チームが3部リーグということは実は前例がないそうで。

ハノーファー96としてもかなりチャレンジングなシーズンになるようですが、隼風にとっては大きなチャンスですからね。

ちなみに2023/24シーズンの来場者数平均が約1万人とのことで、これは3部リーグとして世界トップとのこと。

ディナモ・ドレスデン(過去1部経験あり)は約29,000人だったそうですから、いかにドイツ3部リーグの熱狂度が凄いかがわかるかと思います。

ちなみにこれから始まるユーロに出場するドイツ代表の中にも、3部リーグ経験者が計8選手いるそうです。

ステップアップにおいて、非常に重要な位置付けということですね。

隼風も3部リーグでしっかりプレーして、チャンスを掴むことができれば、いよいよ次の扉が開かれるはず。

そう信じて、水戸から皆さんと一緒に応援していこうと思います。

それでは。

頑張るときはいつも今
瀬田元吾

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