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ジェムカン齊藤陽介Pのインタビュー記事まとめ!プロデューサーの考えるジェムカンの未来とは?
ここ最近、GEMS COMPANY(ジェムカン)プロデューサー 齊藤陽介(よーすぴ)さんのインタビュー記事が増えてきました。ほとんどは齊藤Pが過去にプロデュースしたゲーム(NieR:AutomataやDQXなど)について語る内容ですが、現在の仕事としてジェムカンに触れているものも多く存在します。
はたしてプロデューサーはどのようなことを考えているのか?本記事では、各種インタビューでの、ジェムカンに関する齊藤Pの発言をまとめていきます。引用部分はあくまでインタビュー記事内の一部に過ぎないため、なるべく皆さん自身で実際にインタビュー記事を読んでみることをオススメします。
齊藤Pのゲームではないナニカをお披露目する放送。
こちらはインタビューではなく、2018年8月に行われたGEMS COMPANY発表会の動画です。最近ジェムカンを知った方は観たことがない人も多いのではないでしょうか?
初音ミクを観てアイドルを創ることを考えたという経緯や、ドラクエXIを終えてプロジェクトに着手し始めたこと、ジェムカン発表前にスクエニの名を隠して活動を開始したことなども含め、齊藤Pの口から直接語られています。
ジェムカンメンバーも出演しているため、まだ観たことがない場合はぜひ観ましょう!じぇむかんTVと同じくタイムシフト視聴できます。
スクウェアは貴族でエニックスはヴァイキング? 人たらしでヒットに導く齊藤Pに見る“優秀なゲームプロデューサー”【齊藤陽介×藤澤仁×ヨコオタロウ×安藤武博:座談会】
ジェムカン発表直後の8月25日に公開された記事。こちらは単独インタビューではなく、藤澤仁氏、ヨコオタロウ氏、安藤武博氏を交えた座談会形式となっています。
安藤氏:
ゲームじゃないこともやるんですね。何か言える範囲で、やりたいことってあるんですか? 僕は今でもイルカ【※】と仕事しているから、齊藤さんがVTuberを仕掛けているのはうすうす知っているんですけど。
齊藤氏:
そう、それをようやく発表できた。VTuberって今すごく盛り上がっているけど、こんなふうになる前からやりたくて。それこそ「バーチャルYouTuber」なんて言葉が出てくる前からね。だからいま流行りの「VTuber」を創ってるつもりはないんです。
齊藤氏:
自分のなかで、初音ミクがものすごくセンセーショナルだったんです。新しい時代が来たと思って。でも初音ミクが出てきた当時は、めっちゃ忙しかったので。だから、ちょうど『ドラクエXI』をマスターアップするメドが立ったぐらいから、少しずつ実験を始めたんです。
初音ミクをリアルタイムでできたら素晴らしいなと思ったので、それを技術的にどこまでできるか、イルカと実験してみようと。それがここまでできると見えてきたところで、中の人をオーディションするということをやって。
中の人が決まって、スクウェア・エニックスという後ろ盾なしでどこまで行けるかなと思って、今年の4月からやってみたら、チャンネル登録者が1万2~3000人ぐらいになって。次に多い子が開始2週間で7000人ぐらい。
これからグループで売るんだけど、さすがに全員の人気が横並びになるというのはあり得ないから、柱となる子が何人かいればグループとしてはやっていけるだろうと。
好みを分散すべきというのは「ユーラシアエクスプレス殺人事件」で勉強したので。大衆受けするキャラとマニアックだけど深く愛されるキャラを準備すべきというのは最初から決めてました。
これはR&D(研究開発)プロジェクトだと思ってやっているんですよ。どこで収支を見るかということを考えずに始めたプロジェクトだから。
「ちょっと実験でやらせてくれ」って会社に提案したら、意外と時流に乗っていたので。でも、まだ分からないね。何がバズるか分かんないし。
ジェムカンがVtuberブームではなく初音ミクにインスパイアされて始めたプロジェクトというのは、お披露目配信でも述べられていた通り。また、ドラクエXIのマスターアップの時期から、ILCA(ドラクエXIのCG協力会社)とともにモーションキャプチャの実験を進めていたことも述べられています。
注目すべきなのは、「全員の人気が横並びになることはあり得ない」という点でしょうか。2019年5月現在、チャンネル登録者数では水科葵が2万3千人、珠根うたが1万4千人となっていますが、他のメンバーはまだ1万人に達していません。こうした差が出ることはプロデューサーとして織り込み済みであるどころか、むしろ狙い通りのようです。
また、「どこで収支を見るかということを考えずに始めたプロジェクト」というのは面白いですね。確かに、収益化に積極的な他のVtuberたちや、リアルイベントを多く開催するえのぐやまりなすといった他のバーチャルアイドルと比べて、ジェムカンではそういう活動に対して積極的には見えません。収益についてはまだそれほど重視していないようです。(「何がバズるか分かんない」というのは、NieR:Automataにて「2Bのケツがバズった」という経験を受けてのものと思われます)
座談会の中では他にも、これまで齊藤Pとゲーム開発をともにしてきた方々によってその人物像が語られていますが、かなり好意的な印象が述べられています。作品の開発面について、任せるべき部分はなるべくディレクターに任せるなど、相手を尊重した仕事の進め方をしていたようです。ジェムカンメンバーの生配信の内容が本人に任されているのも、こうした姿勢によるものかもしれませんね。
私が「ドラクエ」から“Vチューバー”アイドルのプロデューサーになった理由
2018年12月25日に公開された記事。『スクエニ取締役・齊藤陽介の仕事哲学』と銘打ったシリーズの後編で、ジェムカンプロデューサーを手がけるに至った経歴を中心に語っています。
――「GEMS COMPANY」は当初、YouTube配信などの活動で「スクウェア・エニックス」という看板を外されていましたね。何が狙いだったのでしょうか。
実は何がやりたかったのかというと、プロデューサーの秋元康さんがAKB48劇場でやられていたような展開なんです。AKB48は今でこそ国民的なアイドルグループになりましたが、もともとの始まりは秋葉原の小劇場でした。最初は舞台に立っている女の子たちよりもお客さんの数が少ないところから始めるという、ああいう泥臭いサクセスストーリーが必要だと思っていて、これが一番初めにやりたかったことなのです。
もちろん、会社のブランドを外して、自分たちの力でどこまでできるのかを見たかったというのもあります。実際に当時のネットの反響を見ても「ものすごいハイクオリティーなVチューバーが来たぞ」と騒がれていたので、まさに狙い通りでした。
ジェムカン結成前の流れについては、先日公式によるまとめ動画が公開された通り。
――「GEMS COMPANY」を今後どのように「面白い」ものにしていきたいですか。
面白いという言葉か適切かどうか分からないですが、何かしらの感動を与えたいと思います。私は彼女たちをアイドルだと思っているので、日本武道館やさいたまスーパーアリーナを埋めるライブをすることを、最終的なゴールにしたいと考えています。先ほど例に出した、AKB48に似た身近な感動を提供していきたいということと同時に、「生身の人間ではできないライブ」というのをやってみたいのです。
例えば、東京には来られなくても、全国からVRのヘッドマウントをつけることによって、普段のライブ会場では味わえないような感動を彼女たちなら与えられるかもしれないわけです。こうした新しい体験をお客さんに提供し、楽しんでもらうところをゴールにしたいですね。
――今後の「GEMS COMPANY」の展開や展望を教えてください。
そうですね。現在までに各所で築き上げられた「アイドル」の形を描きながら、これからの時代に沿った新しいテイストもしっかりと加えていく形にできればと思っています。
素晴らしい楽曲を提供することはもちろんですが、インターネットを通じた新しい形のコミュニケーションをファンと共に作っていくことや、「面白いな、かわいいな」といってもらえるような商品を展開し、「こんなの見たことない!」と思われるようなライブエンタテインメントを提供したいと考えています。
まずはGEMS COMPANYってどんな女の子たちがいるんだろうというところを見ていただきたいので、ニコニコ生放送でだいたい1カ月に1度放送している「じぇむかんTV」だけでも見ていただけたらありがたいですね。
19年も初頭から「こんなことができるの!?」と驚いてしまうようものをご覧いただけるかもしれません。ぜひご期待いただければと思います。
ライブの目標として、日本武道館やさいたまスーパーアリーナを埋めることや、VRを用いた新しい形でのライブといった展望が語られています。
また、既存のアイドル像を踏まえた上で、楽曲を表現するアイドルとしてだけではなく、コミュニケーションやグッズ展開、新しいライブエンターテインメントを提供する、幅広いIP展開を目指しているようです。
2019年ブレイクするアイドルグループはGEMS COMPANY!? “ジェムカン”の魅力をまとめて紹介
こちらは齊藤Pへのインタビューではなく、ジェムカン全体の紹介記事になっています。内容については、週刊ファミ通2019年1月24日号に掲載されたジェムカンの紹介記事をWeb版にしたもの。その中に、プロデューサーからのメッセージが掲載されています。
「2019年は“GEMS COMPANY”のアイドルとしての活動を加速させていきますよっ! 12人もいるのであなたが好きなタイプが必ずいます。必ずです。ぜひ応援してあげてください! 近いうちにライブを実現させます! ライブ会場で応援してほしい! 会場に来て! 絶対だよ! 約束だよ!」
このメッセージが掲載されてから半年後の2019年6月に、ついにワンマンライブが実現されることになっていますから、順調に進んでいることが伺えます。
また、2019年に入ってからQTTAとのコラボやVRadio、ニコニコ超会議への出演など、実際に活動は加速しており、今年が「仕掛ける年」となっているようです。
ゲームプロデュースの最先端 齊藤陽介氏
2019年2月19日に公開された単独インタビューです。全3回に渡るロングインタビューの最終回にて、ジェムカンに触れています。
モーションキャプチャ等の実験を開始したのがドラクエXIのマスターアップ頃、形になったのが秋口とのことなので、2017年春〜秋に実験を行い、2017年12月にはオーディションが告知、2018年4月から珠根うたと星菜日向夏が配信を開始したということになります。2017年末〜2018年初頭といえば、輝夜月やにじさんじ1・2期生が活動を開始した時期ですので、Vtuberを意識せずこのタイミングで活動開始したというのはすごい偶然ですね。
スクエニの名前を出さなかった初期の活動については、ジェムカン自体の性質がゲームとは異なることを踏まえて、なるべく最初はスクエニのファン以外(ゲーム好きではない層)にリーチしようとしていたことも語られています。
『ドラゴンクエストX』のプロデューサーを長年務めた「よーすぴ」こと齊藤陽介氏のこれまでのキャリアと今後の活躍、そして若手ゲームクリエイターへのメッセージをお届け!!
2019年4月25日に公開された単独インタビューです。こちらは他の単独インタビュー記事よりは短いですが、その分、過去の経歴よりも仕事についての姿勢や考え方について多く語られています。最近のインタビューなこともあってか、ジェムカンについては約1年活動を続けてきたことを踏まえての話や、1stライブについても触れられています。
――『ジェムカン』の単独ライブが6月末に決まりましたね。おめでとうございます!
ありがとうございます。
「初めはなんの後ろ盾もなしで、ステージに立っている女の子よりお客さんが少ないってところからスタートして、今があるというのはものすごい萌える」と思うので、始めた当初は『ジェムカン』もそれでいいと思っていたんです。
まさにAKB48の最初期みたいなイメージです。
世間の注目度とかVtuberカテゴリの追い風とかあって、単独ライブではまぁまぁ人が来てくれると予想はしているのですが、箱が埋まらないくらいのほうがこれを埋めようってステップもあるし……。
悩ましいんですけど、みんな頑張ってるから埋まって欲しいなという気持ちもありつつ、最初は半分くらいで、何回かやることで箱を満員にできたらいいねってくらいでもいいかなと。
申し訳ないのは、普段リアルタイムで見てくれている地方の方々ですね。
今回、横浜での開催なので、なかなか来られない方もいる。
年齢層見てみると、普段の放送は10~20代の方が多いのですが、その方々に交通費と宿泊費使ってぜひ来て下さいともなかなか言い辛いですね。
――要望増えたらライブビューイングの可能性もあるのでしょうか。
今回は初めてってこともあったのでやっていません。
あとはDMM VR THEATERは、いわゆる立体視を前提にしているシアターなので、映像にしてしまうとなかなか伝わりにくいかなってところもあった。
後々は、全国・全世界から見てもらえる状況も当然考えていく予定です。
今回に関しては生で見て欲しい。
未来を感じるものになるはずなので、可能ならぜひ見に来てください。
1stライブについては、キャパ300人×5公演という、初めてのワンマンライブにしてはかなり挑戦的な数字になっていますが、これが埋まらないくらいの大きさというのはわかっている会場選定のようですね。「何回かやることで箱を満員に」と述べている通り、今回のライブが最初で最後になるなんてことはない、というのは安心していいでしょう。
地方のファンに向けたライブビューイング等も考えているとのことなので、1stライブ以降もジェムカンがまだまだ続いていき、大きくなっていくことを期待していいのではないかと思います。
また、これまでのプロデューサーとしての姿勢として赤字を出さないことをかなり大事にしていることや、ジェムカンについてはコアなファンに喜んでもらえるものを考えて作っている、ということも述べられています。こうした姿勢を踏まえると、1stライブの特典付きチケットは、「箱が埋まらなくてもチケット代が回収でき、かつファンにも喜んでもらえる」というちょうどいいラインを狙った策なのかもしれません。
まとめ
齊藤Pのことをジェムカンから知った身としては、各種インタビュー記事を通して、ジェムカンのプロデューサーとしてだけでは見えてこない面を知ることができました。ぜひ、皆さんもインタビュー記事全文を読んでみることをオススメします。
ディアステージに関わるアイドルプロデューサーとしては、でんぱ組.incをプロデュースするもふくちゃんが有名ですが、もふくちゃんがクリエイターでもあることとは対照的に、齊藤Pはあくまでプロデューサーとしてゲーム製作に携わってきたことになります。そうした経歴がアイドルプロデュース業にどう作用するのか?についても、ジェムカンとともに今後見守っていきたいところです。(いずれはもふくちゃんとの対談なども見てみたいですね)
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