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一隅を照らす

私は「人」が好きなのだと思います。
 
「歴史が好き」と言っていても、歴史上の人物の人柄や生き方に興味があります。
「神社仏閣・仏像が好き」と言っていても、それらを作り上げた人々の思想や創造の過程に興味があります。
縄文土器を見ても、土を捏ねて焼き上げた人の願いを想像するのが楽しいのです。
 
最近そのことに気づきました。
 
近いうちに訪ねる予定の比叡山延暦寺。
けもの道しかなかった原生林に分け入り、祈りの地を開いた人が最澄です。
 
天台の教えを説き、天皇をも魅了するほど一躍有名になった最澄ですが、
その人柄は遺された言葉から窺い知ることができます。
最もシンプルに抽出するならば「一隅を照らす」という言葉。
 
最澄は延暦寺(当時は比叡山寺)を「教学の場所」と位置づけていました。
つまり、人材育成の場所です。
最澄の究極の教育理念こそ「一隅を照らす」人を育てることでした。
 
「国宝とはなにものぞ。宝とは道心なり。道心ある人を名づけて国宝と為す。(中略)一隅を照らす これ即ち国宝なり」
この言葉の「道心」は仏道を志す心に限らず、「良心をもって何かを目指す心」と捉えて良いと思います。
世界の片隅で直向きに生きる―そういう人が国の宝だと言っています。
 
庭の一隅に咲いている花のように、
それぞれの場所で、誰かの灯になっている人のなんと多いことでしょう。
みんな、国宝ですね。
 
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ソネングラス

「ソネングラス」は上部がソーラーパネルになっています。窓際やベランダに置いておけば充電されます(雨に濡れても大丈夫)。真っ暗闇を照らしてくれる、ちょっとオシャレな防災グッズ。
私は近くの花屋さんでプリザーヴドフラワーを作ってもらい、中に入れて楽しんでいます。
光を見つめているとき、ふと今日の言葉を思い出しました。

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