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ノーベル賞(自然科学系)解説

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#不斉合成

化学ニュースピックアップ vol.14 ~2021年ノーベル化学賞の深堀~

今回は、先日ご紹介したノーベル化学賞をより詳しく解説します。 多少、誤字脱字やおかしな表現がありましたが、後で修正しています(^^;) 化学式を省略した内容にしたので、今回は化学式も交えて解説します。 加えて、関連する2001年のノーベル化学賞についても触れます。 不斉合成 従来は金属と酵素だけだった化学反応の触媒に、新たに有機触媒を加えたのが今回の受賞者の功績です。 シンプルかつ安価、重金属よりも環境に悪影響を与えない、しかも反応効率に優れているという夢のような触媒で

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2021年ノーベル化学賞 ~有機触媒反応の開発~

2021年のノーベル化学賞は「分子を作るための新しいツール=有機触媒反応の開発」に贈られました。 受賞したのはドイツのベンジャミン・リスト氏(ケルン大学名誉教授、北海道大学 化学反応創成研究拠点  主任研究者)とアメリカのデイヴィッド・マクミラン氏(プリンストン大学教授)です。 向かって左から、ベンジャミン・リスト氏、デイヴィッド・マクミラン氏 (ノーベル賞公式サイトより) 今回は化学の王様「有機合成化学」分野からの受賞です。 有機合成化学は久しぶりで、2010年のクロス