お弁当愛を語る〜ダブルアート真べぇ・前編〜
コロナ禍において、飲食業界は苦戦を強いられている。
芸人の中でも飲食を副業としているものも少なくない。
ダブルアートの真べぇもその中のひとり。
難波千日前で居酒屋を経営しているが、夜の集客の減少に悩ませていた。
そこで彼は、昔から愛するお弁当を光明を見い出す……。
このご時世だからこその、お弁当愛を語ってもらいます。
両親が共働きで忙しかったせいか、小さい頃からお弁当を食べてたんです。なんなら1日2食お弁当やった時もあったくらい。母親に作ってもらってたのを食べたり、家から15秒くらい歩いたところにお弁当屋があったので、そこで買って食べたり。
お弁当屋では唐揚げ弁当ばっかりでした。唐揚げが大好きなんでそればっかり。
あと、途中で唐揚げにマヨネーズをつけることを覚えまして、そこからマヨラーにもなりまして、マヨネーズに唐揚げを野菜ディップみたいに食べてたり、マヨネーズが好きすぎて、枕元に置いてたくらいでした。
中学校は母親が作ってくれたお弁当で、唐揚げ、ちょっと甘い卵焼き、ウズラと赤いウインナーを爪楊枝で刺したもの。こればっかりでしたね。基本、鳥と卵が好きなんでしょうね、マヨネーズにも卵入ってますし（笑）。
そんな母親の弁当を昼間食べてましたけど、家でも飽きずに弁当屋で唐揚げ弁当を買って食べてました。
唐揚げにマヨネーズの組み合わせを知った真べぇ少年。
食の世界では、”出会いもの”と言って、旬の食材と組み合わせると最高のタッグを組んで美味しくしてくれる、例えば筍とワカメ、大根とぶり、さんまにすだちといったものがあるけれど、前記したものは真べぇ少年の中ではまさに”出会いもの”だった。
いや、彼自身が出会わなくていけなかったものだったのだろう。好きが高じたアルバイトをやり始めたのだから。
高校は夜間やったんで、昼間アルバイトをしてました。マヨネーズ工場で働いたんです（笑）。
当時付き合ってた彼女と一緒に。でも若い2人が同じとこで働くとイチャイチャするということで、職場を1階と5階に離されてしまって……。若かったですから正直悲しかったですけど、気持ち切り替えて仕事に励んでたら、17歳で製造を任されるほどになってました。まさに好きこそ物の上手なれです（笑）。
高校は訳あって中退してしまいましたがマヨネーズ工場は1年半ほど勤めてました。やめた後はフリーターとバンド活動してたんですけど、その頃から太りだしまして、バンドではベースをやってたんですけど、だんだんお腹の上にベースを乗せて弾くようにはなってましたね（笑）。
そんな頃、4年間付き合っていた彼女にフラれまして、それで、失恋痩せするどころか逆に失恋太りしまして、さらに30キロ超えたんです。もちろん唐揚げ弁当とマヨネーズの摂取量が増えていたのは、言うまでもありません。
そんな増量したまんまの日々を過ごしていた21歳の時、カフェでアルバイトしてたんですが、オーナーに気に入られまして、新しくお店をやるから、任せたいと。せっかくのチャンスやしと迷っていた時に、今の相方がお笑い芸人を目指すためにNSCに入学するって言いだしまして……。どうやら本気の本気みたい。で、その強い意志を感じたら、なんか僕の中でも盛り上がってしまい、迷いも吹っきれ、カフェの新店の話を断って、一緒にNSCに入りました（笑）。
NSC在学中は実家のある須磨の方から通ってたんですけど、卒業してからは大阪へ。ちょうど祖父母の家が市内にあったんですけど、2人とも亡くなって誰も住んでいない状態だったので、そこを人に貸し、その家賃収入とアルバイトで暮らしてました。だから、それほど生活に困らず、相変わらず自炊せずに食生活はほとんどお弁当で支えられてましたね。もちろん唐揚げ弁当はメインなんですが、選択肢も増えて、豚の生姜焼き、ハンバーグも加わっていました（笑）。
そんなお弁当ローテーションですから当然ですが、順調に太っていきましたね。
お弁当と共に歩む真べぇの人生。そこにマヨネーズも加わり食生活も体重も豊かになっていった彼は、ついに芸人とは違う居酒屋を営む人生も送ることになった！
次回はそんな居酒屋とコロナ禍で再認識したお弁当の話を。
To be continued
■ダブルアート プロフィール
タグと真べぇのコンビ。2008年結成。
タグの特技は作詞、ティッシュ配り、耳を動かせる。
真べぇの特技はモノマネ・歌・作曲、けん玉、歓送迎会の司会と幹事。
ダブルアートINFO
「こっちこっち～」
住所：大阪府大阪市中央区千日前２丁目４－１２ ２Ｆ
交通アクセス：大阪メトロ千日前線「日本橋」駅、近鉄「日本橋」駅から徒歩3分。南海「難波」駅より徒歩7分。
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ライター／仲谷暢之
撮影／ポートワシントン笠谷
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