マンゲキ芸人座談会〜ネイビーズアフロ・はじり、さや香・石井、ラニーノーズ・洲崎、からし蓮根・伊織〜前編
8月1日(日)から「よしもと漫才劇場 夏キャンペーン2021」として様々なイベントを行ってきましたが、キャンペーン最終日の9月12日(日)、大阪・千日前のよしもと漫才劇場と森ノ宮よしもと漫才劇場の2会場で『もっともっともーーーっとマンゲキろくでなしの日~駆け抜けろ我等の青春!文化祭と体育祭の二刀流!てっぺんを賭けたマンゲキメンバー総出演の4チーム対抗バトルで盛り上がり過ぎてうっせぇわ!!~』と題したマンゲキメンバー総出演のフェスを実施します。
今回はMCを務めるネイビーズアフロ・はじり、さや香・石井、ラニーノーズ・洲崎、からし蓮根・伊織の4人にマンゲキ夏フェスの思い出と今年について語ってもらいました!
ラニーノーズ・洲崎(以下・洲崎):僕らが前の4組のMC(アインシュタイン、トット、吉田たち、令和喜多みな実)さんを引き継ぐ形でネイビーズアフロさん、さや香さん、からし蓮根、ラニーノーズと一緒に計8組のMCとしてやったんが2年前の2019年夏ですよ。
さや香・石井(以下・石井):力借りながらやったなぁ……。
洲崎:緊張しましたねぇ。当日は当然ですけど、その前の準備期間の打ち合わせの多さ! こんなに会議とかしてたんやと思うくらい内容詰めして、大変やなぁってやる前から感じてましたね。
石井:もちろんフェスは当然盛り上がるし、盛り上がる気満々でお客さんも俺らも迎えるわけやん、それにコール&レスポンスが完全に確立してる空間やし。でもいざコールをするとなると、それで外した時エグいなっていう緊張感があるわ。
洲崎:それはありますね。
石井:自分が言うたことで盛り上がれへんかったら、ほんまにおもんないんやって思ってしまうし、そのプレッシャーはかなりあるもん。それが如実に出たのが、今日はまだ参加してはれへんけど、マンゲキフェスのオープニングを任されたはじりさん(ネイビーズアフロ)。フェス史上、最速でスタートさせてしまうという逸話が残ってる(笑)。
からし蓮根・伊織(以下・伊織):あれは凄かったですね。
洲崎:確かに凄かった!
石井:まぁそれははじりさんが来てからで。
洲崎:(笑)。(以前のフェス時の写真を見ながら)今となったら「舞台に何人しか上がってはいけない」っていうルールがありますけど、以前は何人上がろうが関係なしにガチャガチャしていて、写真を見返してると、ちょっと違和感を感じてしまうくらい、嘘やろ!って思いますね。客席もスタンディングでぎっしりでしたからね。
からし蓮根・伊織(以下・伊織):会場はZepp Nambaで、2,700人くらいでしたっけ。
さや香・石井(以下・石井):今思うと隔世の感があるなぁ。でもあの時、何やったっけ?
伊織:僕、ピンネタやりましたよ。
洲崎:あ、そうや! やってた!
伊織:舞台でやることが書かれたくじ引きでピンネタを引いてしまって。たらいを頭の上に吊るして手に持った紐を緩めて、頭ギリギリで止めるという。止まった瞬間にTUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」を流すだけっていうのやってた。
石井:覚えてないわ~っていうより見てなかったと思う。バックヤードはバタバタしてたからなぁ。
洲崎:あ、今、石井さんが覚えてないっておっしゃってる途中で思い出しました。夏のではないですけど、カウントダウンライブで音楽のブロックがあったじゃないですか。いろんな音楽ネタの中で僕らはBiSH大好き芸人が集まりまして、彼女たちの曲で踊ろうってなって、みんなで歌入れて、振り付け覚えて本番で流して踊ったんです。Kishio(キッショ)って名前で。僕以外ブリーフ一丁で……。大スベりしました。今話してても思い出したくない過去ですが思い出してしまった……。
石井:あったわ(笑)。俺らの石井ダンサーズの踊りで散々盛り上がってのトリやったよな。
洲崎:僕らのチームの後ろに他の芸人がみんないたから盛り上がってくれたらいいのにあんま目ぇ見てくれへんかった。
石井:そんなに知らん曲やってん。BiSHの曲でもなんでそっち?って曲選んでやってたから。
洲崎:BiSHファンからしたらこの曲やってのを選んだんですけどね。
石井:そういうとこ、洲崎のカッコつけやな。王道にしといたらええのにちょっとちゃいまっせみたいな(笑)。
洲崎:なんでや!(笑)。
伊織:あと、マルセイユの別府さんが気持ち悪いロボットダンスやってたのも要因はあるんやないかな(笑)。
洲崎:みんなで踊ってたら突然別府さんが動かなくなって、大きなネジを差し込んで回したら再び動き出すってワケわからない設定で。やっぱマンゲキフェスの中では個人的に黒歴史(笑)。
伊織:その時のことがきっかけになったのかはわからないですけど、マンゲキの支配人がブリーフ禁止令出してました(笑)。
石井:あっち側(お客さん)からじゃなくてこっち側(笑わせる方)から封じられるって(笑)。
伊織:支配人、そんなに下ネタが好きじゃないみたい。
石井:(笑)。あ、俺がやったの思い出した! 上半身裸で何人かが乳首に洗濯バサミをつけて、両サイドから引っ張っていったらでっかい布が国旗掲揚みたいに出てきて、そこには“絆”って書かれてるっていうやつ。
洲崎:アホやなぁ(笑)。
伊織:それは今回もできるんじゃないですか? ソーシャルディスタンス取れてるし(笑)。
石井:確かにな(笑)。以前やった石井ダンサーズものは20~30人舞台に上がって群舞してたから。もうそんな数でのダンスは今は望めないし。
洲崎:そうですよね……。
伊織:そういえば思い出したんですけど、フェス中に行うコーナーのリハで、いろんなものを持ってしばき合うってやりとりをやってた時に、プードルのメラちゃんがプールとかで遊ぶ、空気を入れて遊ぶシャチ型のフロートを持ってしばこうとしてたんですけど、その時に舞台監督さんに「お前、シャチはまだやろが~~~っ!」ってめちゃくちゃキレられてましたね。
石井:(笑)。あった! 一般的にはわからんかも知れへんけど、お笑いには順番があるからな。最初は普通の棒とかから始めてだんだんエスカレートしてビジュアル的にもええ感じのシャチをやっと出してきてっていう段階の笑いがあるけど、メラちゃんがそのセオリー無視して、いきなりシャチ持ってきたもんやから。俺、今までのどなられ史上、最高に面白かった(笑)。
伊織:芸人の中で語り継がれてましたからね(笑)。
※ネイビーズアフロ・はじり(以下・はじり)仕事終わりからの途中参加。
はじり:ごめんごめん。フェスのなんの話してたん?
洲崎:はじりさんのフェス史上最速のオープニングの話を(笑)。
はじり:あぁ……8組でMCやらせてもらった時な……。初めての大きなフェスのメインMCでオープニングを任されたんで、そらカチンコチンになるて。会場満員やわ、ステージには100人以上芸人おるわで、台本には書かれてないけど、芸人もなんかしてたり、しかけてるわけやから、ほんまは、いじったり絡んだりして空気を作らなあかんかったんやろうけども! 緊張しかない! だから台本に書かれて覚えた通りの文言だけシャッと言うて「それではスタートです!」ってサラッと始めてしまって……。
伊織:見事に誰もいじらずに始まりましたからね。はじりさんのスタートですぐ暗転になって。
石井:みんなフェスやし、何よりその記念すべきオープニングやったし、それなのにあっさりやったから演者もみんな「え~~~~~っ!!!」ってなって(笑)。
洲崎:まだ喋ってる人もおったんちゃいますか。
石井:その日の打ち上げでアインシュタインのゆずるさんに、まぁまぁ怒られてましたからね(笑)。
はじり:いろんな人に怒られた(笑)。爆ノ介さんなんて顔にマジックで線を描いててその線が見えへんのに服の下へ、さらにパンツよりも下へ、そして足からその線が出て、最終的にパーティーパーティーのひらかわさんに繋がってるという、フェスならではのこともしてはったんやけど……。
伊織:次の年もオープニング変でしたよね。
はじり:フェスタイトルの伸ばすところを間違えたんや!「もっともっともーーっとマンゲキ!」って言わなあかんところを「もっともっともっとマーーーーンゲキ!」って。
洲崎:言うてましたね(笑)。
はじり:意味わからんわ。
石井:それはこっちセリフですわ!(笑)。
はじり:僕の覚えてることはダブルアート・真べぇさんの結婚報告かな「幸せこっち、こっち~」って言うて。僕、ソデから動画撮ってたもん。ムッチャ盛り上がったなぁ。
洲崎:あれ、パーティーパーティーのきむきむさんもでしたよね。
はじり:それは去年。逆にあっさり報告するというボケで。で、「結婚したんですけどね」って言うた後、「ギャグやりま~す」ってやってウケてハケてた。そういう結婚報告系のって、やっぱフェスならではの感じがするな。そういや、今日のメンバーの報告はなかったな。
洲崎:あ、そうですね! ちなみに真べえさんの結婚報告はそれぞれの芸人の「やりたいこと」っていうブロックでやらはりましたけど、結構このブロック、冒険してますよね。祇園の木﨑さんとのスザキザキもやらせてもらいましたし。
はじり:ユニットコントとかも攻めててめちゃめちゃ面白かった。
洲崎:これに照準合わせてやってる人もいますしね。
石井:ちなみに今回の「やりたいこと」は希望出した?
洲崎:はい。やれるかどうかは本番で確かめてほしいですけど一応、ここだけで言うと、ビスケットブラザースの原田さん率いるドラゴンボール合唱団をやりたいって希望は出しました。ただアニソンをゆっくり歌うってだけのネタですけど。
はじり:前回、チェリー大作戦の宗安のカスタネットに合わせてギャグをするっていうのを出したの忘れてたんやけど、結局採用されて、きむらバンドと一緒にギャグするってのをやったけど、100回くらいやってるギャグが途中で飛んで……。
石井:あった、あった! なんかそんなんあった!
はじり:“ケンケンパッ、骨が折れて家が燃えて、何もかもがパー”っていうギャグがあったんですけど、それを“ケンケンパッ、ケンケンパッ、ケンパ、ケンパ……ケンパケンパ、骨が折れて、家が燃えて、何もかもがパー”って劇場版みたいな長さになってしもて(笑)。……きむらが「飛んどるやないか~っ」ってツッコんでくれて、なんとか成立してんけど。
石井:そやった、そうでした!
はじり:宗安がカスタネット叩いて合わせてくれたから、お客さんからしたらミスなのかどうかもわからなくて。
洲崎:はじりさんて緊張しぃなんですね?
はじり:いや、その時は別に緊張してなかったんやけどな。けど、パワプロやったらフェスバツやな。
一同:(笑)。
はじり:で、今回もやりたいことを書いたけど、今となっては採用してほしくないねん。
伊織:なんです?
はじり:劇団四季ミュージカルの「リトルマーメイド」のアリエルをやりたいって(笑)。
伊織:なんなんですか、それ?(笑)。
はじり:水の中にいるという設定やから浮力で髪の毛が2mくらいピーン立ってるねん。その姿でワイヤーで吊ってもらいたいなって。
石井:無理や(笑)。
はじり:だから絶対採用してほしくない(笑)。見た目は面白い、見栄えだけ。やったとしてもセリフはできるだけ少なく。なんせフェスバツなんで(笑)。石井は?
石井:ここしばらくジムに行きだして体を鍛えてるんですけど、他にもジム行って筋肉付き出した芸人が何人かいるんで、その姿をミルクボーイの駒場さんに見ていただいて評価してもらうという。イチオクのけんしろを、シカゴ実業の山本プロ野球、チェリー大作戦の宗安、豪快キャプテンのベーやんとか。まぁ見せたからってどうなるのかわからんのですけど(笑)。
はじり:それやったら駒場さんのネタで筋肉にプロジェクションマッピング映すのをみんなでやってほしいけどな。
石井:それもいいですね。
伊織:僕は、特になしって書いたと思います。あ、でも祇園の櫻井さんを担いでハケたいってのを書いたかも。いや、書いてないかな。書いてなかったら作家さんに掛け合ってみます。
石井:で、櫻井さんをどうすんねんな。
伊織:櫻井さんが舞台のど真ん中で板付きで携帯弄っといてもらいます。
石井:それで?
伊織:ある程度時間たったら、僕が下手からバーッと走ってきて、櫻井さんを担いで上手にガーってハケるっていう。
洲崎:拉致するっていうこと?
伊織:そう。
石井:そうって(笑)。
はじり:やるんやったら何回かクッション的にやってほしいな。
伊織:そうですね。
石井:櫻井さん、たまったもんやないな(笑)。
イベントINFO
「もっともっともーーーっとマンゲキろくでなしの日~駆け抜けろ我等の青春!文化祭と体育祭の二刀流!てっぺんを賭けたマンゲキメンバー総出演の4チーム対抗バトルで盛り上がり過ぎてうっせぇわ!!~」
日時:2021年9月12日(日)13:00〜20:00(7時間生配信)
会場:大阪・よしもと漫才劇場 / 大阪・森ノ宮よしもと漫才劇場
<出演者>
総合MC:見取り図
リーダー:ネイビーズアフロ / さや香 / からし蓮根 / ラニーノーズ ほか
料金:オンラインチケットのみ 3000円(GoTo割引⇒2800円)
■ネイビーズアフロ プロフィール
みながわとはじりのコンビ。
2011年11月11日結成。
2020年「第50回NHK上方漫才コンテスト」 優勝
2021年「第56回上方漫才大賞 新人賞」 受賞
■さや香 プロフィール
新山(左)と石井(左)のコンビ。
2014年結成。新山の特技は恋愛相談。石井の特技はダンス。
2020年ABC「第41回ABCお笑いグランプリ」 決勝進出
2020年MBS「歌ネタ王決定戦」 優勝
■からし蓮根 プロフィール
高校の同級生の伊織と杉本青空 のコンビ。
2013年結成。2019年YTV「第9回ytv漫才新人賞決定戦」優勝。
同年、ABC「M-1グランプリ2019」決勝進出。
■ラニーノーズ プロフィール
山田健人、洲崎貴郁のコンビ。2012年結成。
山田健人の特技はギター、フリースタイルラップ。
洲崎貴郁の特技はギター、弾き語り、英語、イラスト。
2019年 歌ネタ王決定戦2019 優勝
2020年 第5回 上方漫才協会大賞 話題賞
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取材・文/仲谷暢之(アラスカ社)
撮影/長井桃子
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