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TEAM BANANA×スパイクが語り尽くす! 女性芸人としての過去、現在、未来

若手の頃から同じ舞台で切磋琢磨してきたTEAM BANANA(藤本友美/山田愛美)とスパイク(松浦志穂/小川暖奈)。
高校生のお笑いNo.1を決定する『M-1甲子園(現ハイスクールマンザイ)』出身のTEAM BANANAと小川、特待生としてお笑いコースに在籍したTEAM BANANAと1年だけ実在したNSCの歌コースで同期だった松浦。
当時から面白さで注目を集めて、劇中を支えてきた4人が行きつけの中華店「香港厨房 渋谷店」で女子会を開催! これまでの思い出を大いに語ってもらった。

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若かりしTEAM BANANAはパンクなイメージ

――2組はかなり長い付き合いですよね。

松浦:芸人になってからずっと、ですからね。そもそも、小川ちゃんとチーバナ(TEAM BANANA)さんは『M-1甲子園』の頃から面識があったんだよね?

藤本:私、会ったの覚えてるよ。千駄木かどこかの真っ暗なところだった。

小川:そう、私が高校生の頃でしょ? 東京へ遊びに来たついでにNSCだったのかな。友達とチーバナさんが出られていたライブを観に行って。

山田:マジで? 何ひとつ覚えてない(笑)。けど、小川ちゃんのことはもちろん知ってた。高校時代からかわいくてオシャレで面白いって。

藤本:そうそう、有名だったよね。

山田:当時、小川ちゃんが書いてたブログをよく読んでて。神保町のNSCで見かけたときに嬉しくて「ずっと観てます!」みたいな感じで声をかけたんだけど、自分はNSC生で私たちは卒業生だったからか、めっちゃ不審がられた記憶がある(笑)。

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小川:ははは! 松浦はチーバナさんと同期っていうかね?

松浦:(NSC東京14期生となる以前に)1年間、NSCの歌コースに通ってたからね。お笑いに興味があって、来年はお笑いコースに入り直そうって思いながら通ってた時期だったんだけど、13期生にTEAM BANANAっていう特待生がいるっていう情報はもちろん入ってきていて。けど、いつ授業を見学に行ってもいなかった。1日も出席しなかったんじゃない?

山田:それはさすがに盛り過ぎ(笑)。

松浦:そういうところが不良っぽかったっていうか。当時、ツートンカラーのヘアスタイルだったでしょ?

藤本:そうそう、私は半分が金髪で。

山田:私は前と横にメッシュが入ってた。で、黒と白の衣装でね。

松浦:パンクなイメージがあった。

山田:NSCには行かな過ぎたもんだから、1年目の頃はあんまり仕事がなくて。ほかの芸人さんとあんまり会ってなかったんだよね。で、2年目だったかな。覚えてる?『ニューフェイスガールズ』っていうライブ。

小川:あぁ、一緒にやりましたよね。

松浦:ユニットコントをやったから稽古数も多かったりして、自然と仲よくなりましたよね。

山田:うん、そこでスパイクとはガッツリ喋った記憶がありますね。

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――当時はまだ女性芸人も少なかったので、いろいろと大変なことも多かったんじゃないかと思いますが。

小川:NSCの授業に緑色のスカートをはいて行ったら、スタッフに入っていた女性の先輩に「スパイクのボケ、立て。何、色気づいてんだ?」って言われたのを思い出しました。

松浦:たぶんですけど、これだけかわいい子が本気で芸人を目指してると思ってなかったんでしょうね。何かにつけて、小川ちゃんは目をつけられてました。

小川:ほかにもっと浮ついてる子はいたのにね。けど、TEAM BANANAさんは当時から優しい先輩でした。

山田:スパイクが出てきたとき、NSCのスタッフに入ってる同期に「お前ら、もう終わったな」ってめちゃくちゃ言われたよ。それくらい、当時からスター性があって、華もあったよね。

藤本:単独ライブができるのもめちゃくちゃ早かったよね。観に行ったんだっけ?

山田:うん。シアターブラッツまで2人で観に行って、後輩でありながら憧れる部分が多かった気がする。

松浦:私だけかもしれないんですけど、(1期下の横澤)夏子が出てきたとき、「お前、終わったな」って言われましたよ。当時、『needs』(若手のゲームコーナーライブ)とかでめちゃくちゃ前に出て頑張ってたんですけどね。

――今ほど多くなかったからなのか、女性芸人の枠って1つしかない印象でしたよね。

小川:確かに! しかも、数年に一度ブレイクするかどうか、くらいでしたよね。

松浦:それが今や、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)や『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)とかでも女性芸人だけで出られるようになったわけですもんね。

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スパイクのコントはあるあるだけどキモい!?

――お互いのネタはどんなふうに観ていますか? TEAM BANANAさんはずっと漫才をやっていて、スパイクさんは漫才からコントへシフトチェンジしましたけれど。

藤本:自分が漫才やってるのにアレですけど、観るのはコントのほうが好きなんです。スパイクが女子あるある的なコントをやってるのを観て、めちゃくちゃ面白いじゃん!と思って。2人に面白かったって伝えたら、本人たちはしっくりきてたのか、「あぁ、ありがとう」みたいな感じの反応されたけど。

小川:え、そんなに冷静な感じだった?

藤本:うん(笑)。美容師のネタとか、カラオケのネタがめっちゃ好きなんだよね。

山田:面白いよね。コントをやり始めたとき、漫才もできるのにコントもできるんかい!って思ったというか。なんでも器用にできるイメージがあるけど、コントでは小川ちゃんの狂った感じとか謎の存在感がスッと入ってくるのがすごく面白いなって思う。

藤本:やってることはあるあるなんだけど、キモい人がいるっていう感じだよね、スパイクのコントって。

山田:確かに、あるある風に見せて出てくる人が2人とも気が狂ってる。

松浦:チーバナさんは、ケイちゃん(相席スタート・山﨑ケイ)の助言からネタがガラッと変わりましたよね。ボケとツッコミも変わって、明らかにウケの量も変わって。後輩なのにこんなこと言うのはおこがましいですけど、成長したな、一皮むけたなって。

小川:そう、自分たちのかたちを確立したっていうかね?

松浦:もちろん前のかたちも面白かったんですけど、後輩ながらものすごく変化した漫才に衝撃を受けました。

――具体的に、ケイさんにからどんなアドバイスを受けたんですか?

山田:私が悪いことを言ったりする普段の感じを、もっとネタにも出したほうがいいんじゃないかと言われたんです。で、単独で悪いことを言う山田とそれを聞いて思ったことを話す藤本みたいなかたちでやってみたらウケて。そこから、恐る恐る通常のライブでも出し始めたんです。

小川:恐る恐る?(笑)

山田:(周りの人やお客さんに)変えたなって思われるのが恥ずかしくて。お客さんが少ないライブから出し始めて、少しずつウケるようになっていったんですよね。だから、ケイさんのアドバイスは本当にありがたかった。私たちにはそういう発想、マジでなかったから。

松浦:私たちが漫才をやってたとき、構成作家の山田ナビスコさんから「お前らのネタが男っぽいな。もっと女子あるあるとかやったほうがいいぞ」って言われたことがあったんです。で、ないなりにアイデアを絞り出してたんですけど、うまくいかなくて。今でも単独ライブではそういうネタをやったりするんですけど、チーバナさんのようにはいかないというか。すぐ変な大喜利を入れちゃうんですよねぇ。

小川:ほんと、すぐ大喜っちゃうよね。

山田:私たちも最初、山田さんに「女性らしさを出せ」って言われて、女性らしさって何?っていう壁にぶつかったというか。当時、この世界に入るには女性らしさが邪魔になると思ってたし、芸人=女らしさみたいなものを捨てなきゃけないと思ってた。なのに、いざ芸人になると女性らしさがないって言われて、頭を抱えてしまって……。山田さんに女性の何がわかるんだ!と思ったこともあったけど(笑)、結果、そう言ってもらえてよかったなって思ってる。

小川:山田さんは芸人に愛がありますからね。

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2組でメディアの仕事をしてみたい

――今年からTEAM BANANA、スパイク、THIS IS パンの3組で『タラレバからの卒業』という各月開催の新ネタライブも始められたんですよね。

松浦:そうなんです。ただ、一昨年だったかな? 私たちが吉本じゃない劇場で単独ライブをやるってなったとき、もう1組、誰か誘おうってことになってチーバナさんを誘ったんですよ。来月やりませんかって言っても断られるだろうなと思ったので、3~4ヶ月前に声をかけたんですけど断られたから、今回も最初、断られるんじゃないかと思ってました。

藤本&山田 (笑)。

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松浦:2人とも、かなりマイペースな方たちっていうイメージがあるから。けど、やるって言ったのが意外でしたね。

山田:ただ、新ネタっていうところは渋ったよね? 準新ネタでもいい?って。

藤本:そこはめちゃめちゃ交渉した。

松浦:それ、言ってましたね(笑)。

――ネタはもちろんこれからも磨いていかれると思いますが、2組でほかに何かやりたいことはありますか?

小川:シソンヌさんとチョコプラさんみたいな感じで、一緒にいろんなことをしたいですね。ロケとか入れたら嬉しいです。

山田:いいね! なんならこの取材も嬉しいもん。

松浦:そうですね。できるなら一緒にメディアの仕事もしたい。最近、チョコプラさんと(渡辺)直美さんが一緒にやってたロケ番組を観たんですけど、あんなふうに仲がいい人たちでロケができたら最高だなと思って。

小川:『有吉の壁』(日本テレビ系)もそうだよね。チョコプラさん、シソンヌさん、パンサーさん……みなさん、友達だらけで楽しそう。そういうところを観ているだけでも感慨深いんだけど、私たちも一緒に出られるようになれたらいいですね。


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スパイクプロフィール
松浦志穂(左)と、小川暖奈(右)のコンビ。NSC東京校14期生。


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TEAM BANANAプロフィール
藤本友美(左)と、山田愛実(右)のコンビ。NSC東京校13期生。


■取材協力
香港厨房 渋谷店
東京都渋谷区宇田川町30-1 蓬莱屋ビル 5F

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2組 INFO

性格の悪いネタをするライブ
日程:2021年1月26日(火)19:00開場 19:30開演
会場:ルミネtheよしもと(東京都)
MC:スパイク / 出演:囲碁将棋/TEAM BANANA/相席スタート/ニューヨーク/サンシャイン/うるとらブギーズ/ジェラードン/シシガシラ/空気階段/蛙亭/ドッチモドッチ/世間知らズ/他


TEAM BANANA INFO

TEAM BANANAno寄席
日程:2021年1月2日(土)13:40開場 14:00開演
会場:ヨシモト∞ドーム ステージⅠ(東京都)
出演:TEAM BANANA/ゲンセンシホウセン/大自然/演芸おんせん(マセキ芸能社)/根菜キャバレー(サンミュージック)/まんぷくユナイテッド/ごくいちぶ/さんてん堂/プール


TEAM BANANAトークライブ
日程:2021年1月27日(水)20:40開場 21:00開演
会場:ヨシモト∞ドーム ステージⅠ(東京都)
出演:TEAM BANANA

オンラインチケット


スパイク INFO

大晦日くらい同期で集まろうぜ!2020年も色々あったけどみんなお疲れ忘年会~14期編~
日程:2020年12月31日(木)17:40開場 18:00開演
会場:ヨシモト∞ホール(東京都)
出演:相席スタート 山添寛/ダイタク/ネルソンズ/インディアンス/スパイク/カゲヤマ/THE GREATEST HITS/マチルダ グチヤマ/きっと君はくるさ カルビちゃん/廣瀬優


ジャングル幕張ポケット~ネタにトークにコーナーの90分~
日程:2021年1月27日(水)18:30開場 19:00開演
会場:よしもと幕張イオンモール劇場(千葉県)
出演:ジャングルポケット/ネルソンズ/スパイク/鬼越トマホーク




執筆/高本亜紀 撮影/カワベミサキ


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